こうや豆腐特集

◆こうや豆腐特集:「健康」軸で新価値確立 広がる機能性認知

農産加工 2021.10.08 12306号 07面
健康機能の認知などで新たなユーザー開拓が進むこうや豆腐=長野市内のスーパー

健康機能の認知などで新たなユーザー開拓が進むこうや豆腐=長野市内のスーパー

 1000年とも800年ともいわれる長い歴史を持つ乾物食品、こうや豆腐。値頃で保存性が高く、栄養も豊富な食材として、家庭の食卓を中心に親しまれている。ここ10年ほどは高タンパクで低脂質な特性、こうや豆腐が豊富に持つレジスタント・タンパク質による食後血糖値の上昇抑制や脂質代謝の促進、血中コレステロールの調整機能などの機能性研究が進み、メーカー各社などは「健康的な食品としての位置付けを確固たるものに」(こうや豆腐普及委員会・木下博隆委員長=旭松食品社長)と意気込んでいる。

 一方で、大きな懸念材料となっているのが、原料大豆の高騰。昨年秋以降、国際価格が急騰し、今年5月には過去最高額に迫る水準まで跳ね上がった。現在はやや落ち着いているが、依然高止まりの状況が続き、メーカーからは価格改定の動きも出始めている。

 伝統が培ってきた信頼性を礎に、健康機能やメニュー提案で新たな価値の構築を進める、こうや豆腐業界。コロナ禍に伴う内食化、健康志向をとらえようと、秋冬期も訴求強化に取り組む構えだ。(長野支局長=西澤貴寛)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら