この1年ほど取材先で人手不足という課題をよく聞くようになった。生産現場の工場だけでなく本社採用の募集でも面接までこぎ着けるのが大変で、採用となるとさらにハードルが高いという▼ところが東京商工リサーチによると、25年1月~5月15日までに早期・希望退職…続きを読む
3日、菱食(現三菱食品)元社長の廣田正氏が逝去した。革新的な概念を相次ぎ提唱し、卸売業の産業化を推進した偉大な経営者だった▼廣田氏が卸の改革を志す原点となったのが、1962年発刊の「流通革命」が唱えた「問屋不要論」だ。伝統的な日本の問屋機構は流通変化…続きを読む
今年1月、埼玉県八潮市中央1丁目付近で道路が突然陥没した。当時現地からの映像で、交差点付近で営業していた「和食麺処 サガミ 八潮店」の大きな看板が崩れ落ちていく様を目の当たりにした▼「サガミ」を運営するサガミホールディングスは、愛知県名古屋市に本社を…続きを読む
小さいころ、夏の夕方から夜に変わる時間が好きだった。夕焼けで真っ赤に染まる空や草がもえる匂い、カラスの鳴き声、帰宅を促すアナウンスなど、数十年たった今でも心に焼き付いている▼そのころは、夜のとばりが訪れると涼しげな空気に変わり、夏祭りや盆踊り、手持ち…続きを読む
「消費者の節約志向が強い」と小売担当の記者として20年前ほどから耳にタコができるほど聞き続けてきた言葉だ▼かつてはデフレが長く続き、消費者は低価格を求め、さらにもっと価格が下がるのではないかと買い控えする心理が働いてきたのであろう。企業側も価格を下げ…続きを読む
今年も暑い夏が近づいてくると、かつてドラマ「世にも奇妙な物語」の一エピソードとして放映された名作「ハイ・ヌーン」を思い出す▼ある夏の盛り、とあるひなびた商店街の食堂に現れた、玉置浩二演じる男が、壁に貼られた店のメニューを端から延々と食べ続けていくとい…続きを読む
経済とともに企業、事業の国際化が進み、パーパス経営が普及した。自社の志、価値観、行動原則を示して国内外の社員をつなげる。軸になるのが環境、格差などの社会問題の解決だが、個人から見えれば大仰に感じられ、逆に距離感も生まれる▼味の素は4月末に11社合同で…続きを読む
大阪・関西万博が開幕して2ヵ月。取材で数回、会場を歩いた感想▼人が多すぎる。平日でも大混雑。ネガティブ評判はどこへやら。コンビニですら入場制限がかかり、学習しない私はたびたび昼食難民と化す。端の方で農水省の展示があった。ある関係者は「ほとんど来てもら…続きを読む
軽井沢駅で「峠の釜めし」を買った。十数年ぶりか、急に食べたくなった。というか、あの益子焼の土釜ごと欲しくなったような気がして、なんとなく注文していた▼信越本線、横川駅の駅弁として知られる「峠の釜めし」。30年ほど前は、沿線のどの家にもこの土釜が1個は…続きを読む
展示会取材が急きょ決まり、タイを訪れた。かつてハマった大好きな国だが実に15年ぶり。滞在は実質3日▼「持続可能性」「革新」が詰まったタイの食品が並ぶ展示会場は来場者が前年1.6倍と大盛況。日本からも大手企業に加え、日本酒、コメ、あか牛、ホタテやアユ、…続きを読む