コロナ太り増加のオランダで「砂糖税」の議論が再燃

オランダで何年も前から検討されては立ち消えになっている砂糖税の導入。また導入案が出てきて物議をかもしている。今回検討されている導入推進の背景には「コロナ太り」の増加がある。

肥満予防として砂糖税に期待

1970年代の中盤以降、世界中で増加の一途をたどる肥満は、中高年だけでなく若年層へも広がり問題になって久しい。生活習慣病や心疾患などの誘発を招き、治療費も高額であることから社会的負担も大きく なんとかしなければと考えついたのが「砂糖税(シュガータックス)」だ。特に、砂糖の添加が多いソフトドリンクやスイーツや製菓類などが課税対象として検討される。

製菓類も課税対象になるのか

導入の目的は、消費者一人ひとりが日々の暮らしの中で「糖分過剰摂取への認識」を持つこと。また、提供する企業側の糖分過剰添加への意識改善であった。では今なぜ、オランダで再協議され始めたのか。

医療機関や保険会社が注意喚起

「砂糖税」自体は別段新しいわけではないが、最近あらためて検討され始めた背景にコロナがある。コロナ禍でロックダウンを強いられた国民は、老若男女を問わず行動制限を強いられた。オランダの場合、「インテリジェント・ロックダウン(=オランダの新型コロナウイルス対策)」で、他の欧州諸国よりは規制が緩かったとはいえ、ステイホームでの生活は国民に過剰なストレスを与えた。

冷蔵ショーケースにならぶスイーツ

そして在宅を強いられた国民は、勤務中や授業中も自由に飲食ができるというメリットも手に入れた。加えて、外出規制による運動不足が追い打ちをかけていった。日本でも「コロナ太り」という言葉が定着しているように、オランダでも大問題に。このような現状に懸念を示しているのがオランダの医療機関および保険会社で、注意を促している。ここで再度、砂糖税導入検討案が浮かび上がった。

砂糖税導入への課題は

実際問題として、オランダは国民の半分が肥満グループに属する現状を2040年までには38%に減少させることを目標としている。これに関連して、2025年にはソフトドリンクに含まれるカロリーを現行の30%引き下げる取組みが国立予防学会で推進されている。

オランダで販売されているソフトドリンク

実際に糖分添加量を変えても現行の「消費者に慣れた味」を研究開発するには時間もお金もかかるため、今回も話題以上にはなかなか進まないであろう。しかし、世界的に見ても砂糖税を導入している国は多く、遅かれ早かれその日が来ることは間違いと思われるのが、オランダの現状ではなかろうか。(オランダ在住フードコンサルタント 白神三津恵)