抗酸化物質のニューフェース「わさびスルフィニル」のパワー解明

2005.01.10 114号 3面

大根・キャベツ・ブロッコリー・わさびなど、アブラナ科野菜に含まれる抗酸化成分・イソチオシアネートに、抗がん作用などの機能性が確認され、注目されている。

アブラナ科野菜の中で最も多くイソチオシアネートを含むのが“わさび”。

加工わさびメーカー・金印(株)は、大阪市立大学などとさらに詳しい研究を行い、本わさびに含まれる「わさびスルフィニル」に画期的な新抗酸化作用があることや、その優れた健康機能を次々と明らかにした。

「わさびスルフィニルは、イソチオシアネートの一種ですが、作用機序が他と全く違います。これまでの抗酸化物質は発生した活性酸素を捕まえて消す働きでしたが、わさびスルフィニルは過剰な活性酸素が発生しないようにします。つまり、ガスの元栓を締めて火事を予防するようなものです。ほかにも発がん抑制や血栓予防などの作用が期待されています。さらにすごいことに、わさびスルフィニルは細胞自体の抗酸化パワーをアップさせ、身体を傷つきにくくさせるというユニークな働きがあることもわかっています」と同社研究開発部の奥西勲さん。わさびスルフィニルを含む野菜は、日本原種の本わさび(沢わさび)以外にはほとんどなく、チューブわさびに含まれる量もごくわずかだという。

◆「わさびスル」は理想の食べ方

わさびの機能成分・わさびスルフィニルは、細胞が壊れて初めて生成される。つまりすりおろして食べるのは、効果的なとり方。円を描きながら、力まず笑顔でゆっくりすり、3分寝かす。酵素反応で香りも増してよりおいしく。揮発性成分なので食べる直前にすって。

※わさびの機能性=抗菌効果のほか消化促進・血行促進・脳活性など。

◆抗酸化成分が効率よくとれる・本わさびレシピ

●わさびそば そばはルチンなど抗酸化成分が多種含まれている食材。おろしたての本わさびに大根おろし・ねぎを添えたら、理想の抗酸化バランスメニュー!

●わさびっちゅ 焼酎に本わさびをごく少量すって入れる。スキッと酒の味が引き締まってうまさが増し爽やかな風味になる。

●わさび茶 緑茶に本わさびをごく少量すって入れる。血圧が高め、風邪気味、鼻が詰まるなど、ちょっと具合の悪いときに。

●花わさびのおひたし 花わさびをサッと蒸して、しょうゆをかける。ゆでずに蒸すのがカギ。さわやかな香りが残る。3~4月、花の頃にぜひ。

●わさびみそ 金山寺味噌にすった本わさびを混ぜ合わせる。海苔の佃煮に混ぜても◎。ご飯が何杯でも食べられるおいしさ。

●わさびドレッシング・わさびマヨネーズ サラダや肉料理、パスタにもピッタリ

●しゃぶしゃぶ・ギョーザ・カレーの隠し味にも ピッと味が引き締まる。

●自家製味噌や野沢菜漬けなど作るとき、仕込み樽にわさびの葉や茎を入れておくと、カビが防げる。

(指導:長野県・穂高 本わさび生産者・白板孝子さん)

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