製粉特集
◆製粉特集:“ウィズコロナ”の対応で巻き返しを 商品開発などで顧客サポート
製粉市場の20年度(4~3月)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、マイナススタートとなっている。家庭用の小麦粉製品や小麦粉を含むプレミックス製品などは、巣ごもり需要を追い風に増加しているものの、外出自粛や営業時間短縮などにより、外食、中食業界などが苦戦していることが、トータルで減少している要因だ。カテゴリーでも、パン、麺、菓子のいずれも家庭用が伸びるも、業務用が厳しい状況となっている。7月20日時点でコロナウイルスの感染者は減っておらず、先行きは不透明なままだ。今後の製粉市場活動としては“ウィズコロナ”“アフターコロナ”を見据えた取組みを推進していくことで巻き返しを図りたい。(久保喜寛)
農林水産省生産局貿易業務課調べによる「製粉工場における玄麦及び小麦粉の月別需要動向」によると、小麦粉生産量は、18年度、19年度の2年連続で減少した。業界内では、人口減少による自然減と捉え、国内市場は今後縮小していくと予想されていた。この状況下、2月から新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、市場環境が大きく変化した。
家庭用が伸長するも、業務用の減少をカバーするには至っていないうえ、業務用に関しては、コロナウイルスの感染者数が減らないために、外食産業など、製粉メーカーの主要取引先の復調の兆しが見えない状況にある。
外食産業などでは、店舗だけでなく、テークアウトや出前など新たな展開を実施するところもあり、製粉メーカーとしてはそのような需要に対して、対応できる商品の開発やサービスの提案などを試みているようだ。今後も製粉メーカーは、商品開発などに磨きをかけ、外食産業などの顧客をサポートしていく考えだ。
一方、業界内に目を向けると、業務用チャネルが中心に展開している中小メーカーなどが多く、コロナ禍の中で厳しい業績となっている企業もあるよで、業界再編につながるのではないかと危惧されている。