片栗粉特集

◆片栗粉特集:バレイショでんぷん、減産予想も供給に影響なし

農産加工 2021.10.04 12304号 05面

 20年の片栗粉市場は内食需要の増加を背景に、家庭用の比率が高いメーカーは大幅な販売増につながった。業務用は外食不振などの影響で販売量が減少したが、中食向けや食品スーパーのバックヤード向けは堅調に推移。テークアウト需要で唐揚げ業態への販売も伸びた。原料面では昨年からの繰り越し在庫があり、当面の供給に問題はないが、今年は原料のバレイショでんぷん生産量が平年を下回る見込みとなり、今後の安定供給に不安が残る。(三井伶子)

 20年の片栗粉市場は家庭用が前年比10%増、業務用は同10%減程度となったもようだ。KSP-POSによると、20年1~12月の片栗粉の販売金額は前年比10.2%増、販売数量は同9.4%増となり、外食関連の売上げが減少したものの家庭用の売上げ増に支えられ、各メーカーとも昨年とほぼ同程度の着地となった。

 21年に入ると家庭用は前年比5~10%減で推移し、昨年の勢いから若干の落ち着きを見せる。業務用全体では同50%増、外食向けは同10%増など回復傾向にあるものの、コロナ前の水準には戻っていない。

 外食産業の中でも、唐揚げ専門店などの業態向けはデリバリーやテークアウト需要もあり好調に推移。惣菜や食品スーパーのバックヤード向け、ミールキット向けの小袋需要も堅調な動きを見せる。昨年はコロナ禍の環境変化への対応として唐揚げ業態への販売成果はあったが、今年は唐揚げブームも落ち着き、片栗粉を扱う問屋やメーカーは好調な小売業態への販売に注力すると考えられる。

 新型コロナウイルス感染拡大を背景に自宅での調理機会が増える中、家庭での片栗粉使用量は増加傾向にある。主に唐揚げの衣や料理のとろみ付けに利用され、巣ごもり疲れを感じた生活者が比較的簡単に作れる唐揚げをメニューの一品に加えていることが考えられる。家庭用はもともと200g、400gの製品が中心だが、最近は1kgの大袋製品が一般の食品スーパーに登場し、販売量が伸びている。

 市場が好調の一方で、原料事情は厳しい状況が続く。農林水産省発表による21年産バレイショでんぷん生産量は、前年より5000t少ない15万9000tの見通しで、直近では16年産以来の15万t台と減産が予想されている。

 産地の北海道では全農系統工場が9月7日までに全工場で操業を開始。原料バレイショは小玉傾向となっているが、産地ではまだ葉が茂っているほ場もあることから、これからの肥大に期待がかかる。

 供給面では昨年からの繰り越し在庫があるため、当面の供給に問題はないが、21年産は平年作を下回る予想がされ、今後の安定供給に不安が残る。片栗粉は大きな変化のある市場ではないが、北海道のバレイショの生産が不安定な状況から、今後も原料動向を注視しながらの販売が予想される。

 価格面では輸入製品の海上輸送コストが高騰し、年明け以降に市場でも価格が反映されてくると予想される。そうした環境から需要が国産に戻る可能性が考えられるが、今年の国産は生産量が平年作を下回る見込みであり、予断を許さない状況となっている。

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