玄米市場、金のいぶき主導で本格形成進む

農産加工 ニュース 2019.07.10 11906号 01面
ナチュラルローソンに並ぶ金のいぶき使用の「玄米おにぎり」(中段)

ナチュラルローソンに並ぶ金のいぶき使用の「玄米おにぎり」(中段)

玄米市場が本格的に形成され始めた。中でも、おいしさと高栄養を兼備したプレミアム玄米「金のいぶき」の中食や外食、加工食品の商品化が進み、9月にファンケルが東京・銀座で、このコメの魅力を伝える玄米食レストランを開店する。背景に、金のいぶきの普及推進を活動の一環に据える高機能玄米協会が、賛助会員・高清水食糧による殺菌・殺卵加工処理を義務付けたことがあり、商品化のネックとなっていた玄米の一般生菌問題がクリアされた。(佐藤路登世)

CVSでは、ナチュラルローソンが昨年5月発売の「玄米おにぎり」を皮切りに、おにぎりや弁当、寿司類で目下10品をラインアップ。改廃の激しい商品群でありながらも、女性顧客で首位、男性2位の圧倒的なリピート率を誇り、現在玄米粉スイーツを開発中という。

ほかファミリーマートでも、おにぎり原料に採用され、5月7日に関東東海エリア5875店舗で「たらこ昆布おにぎり」、6月6日「梅おかかおにぎり」が相次ぎ発売された。

加工食品では、アルファ化米による非常食トップの尾西食品が、「山菜玄米めん」を発売。金のいぶきを97%使ったアルファ化玄米めんが熱湯10分で戻る長期保存食で、めんへの加工は群馬製粉が独自技術で行っている。

また、吉野家が非常食用牛丼缶詰を発売。白米だとでんぷんが糊状に劣化するが、殺虫殺卵加工した金のいぶきだとこれがクリアし、商品化が一気に進んだという。5月末に通信販売を開始したところ、初回ロットが翌日完売し、欠品状態となっている。

外食では、サンケイ会館が展開する飲食店や宮城県の「農家イタリアン米屋十米衛」などがあり、「一度食べると共感し、リピーターになる」と口を揃える。そこでファンケルは、銀座スクエアビル地下に玄米食専門創作イタリアンレストランを開店する計画で、ピラフ、リゾットなどコメ料理はもとより、玄米粉パンやパスタ、ピッツア、スイーツなどのグルテンフリーメニュー化に向け準備を進めている。

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