海外情報 油から肉に飛び火、米国のダイエット戦争
マクドナルドがかつてアメリカ人に毒を売るという意見広告で動物性油脂から棉実油とコーン油に切替えた。ライバルのウェンディはコーン油に、バーガーキングは棉実油と大豆油に切替えた。
今度は油から肉に火が飛んでいる。好物の牛肉はカロリーとコレステロールが多く敬遠されて消費量が急速にダウン。
これではたまらないと、傘下に大手の食肉メーカーを持つコングロマリットのコナグラは、昨冬から九六%の脂肪をとった牛ひき肉をテスト販売し、名付けてヘルシー・チョイス。これが味もよく、その名の通りヘルシーとあってヒット食品に浮上。
マクドナルドもマックリーンデラックスを本格販売にふみ切った。これは脂肪を九一%もカットしたヘルシーハンバーガーである。
太りすぎを気にするアメリカ人に大受けしてアメリカヒット食品のベストテン入りに。
この秘密は脂肪の代りに海藻からとった抽出物を加えて、テキスチャーをよくして、しかもカロリーを大幅減にした商品。アラバマ州のアーバン大学との共同開発品である。
またヘラルド・シーズニング・アンド・イニグリディエンツ社は、オート麦の成分を牛ひき肉にまぜ、カロリー四割カットの製品を開発し、味は本物に劣らないとしている。
ケンタッキー・フライドチキンもカロリーオーバーで伸び悩み気味。フライドという文字が気に入らないとあって広告や看板などはすべてK・F・Cに変った。
しかし太った白い服のカーネルサンダース像(創業者)もイメージが悪いとして全面撤去。そしてケンタッキー・グリルドチキンに社名を変えたらよいと噂のでるほど。
これを裏付けるようにロスのセンチュリープラザのきじ丼は大繁昌。焼き鳥をスライスにして醤油味に、丼ご飯の上にのせて山盛りのもやしがつく、一杯六㌦で多くの人々はコーヒーやコーラは飲まず、サービスされた水をのみヘルシーといって喜んでいる。いまこのような焼鳥をロスティ・チキンとよび人気上昇。アメリカの景気は大統領戦中にもかかわらず冷え込みが激しく、失業者も減りそうにない。これから予想されるFF戦争は一段とダイエットがエスカレートするとともに価格競争が激化するとみる人がふえてきた。割高なピッツアをさけて、安いFFに集中しそうな気配がみられる。