飲食トレンド:変貌する家庭の食事、団らん復活の担い手“HMR”

1997.07.21 131号 1面

HMR(ホーム・ミール・リプレイスメント)とは、米国で今最もホットなコンセプトであり、「家庭の食事に取って代わるものを提供していく」という戦略である。「HMR=中食」というとらえ方もあるようだが、市場というよりも、市場を形成する生活者のニーズへの対応戦略と考えたい。その登場の背景は、生活者の変化にある。

米国の家庭では、核家族化に加えて、働く女性、母親が増え、家で食事を作る時間がないという大きな問題を抱えている。食材を購入し手作りの料理で食卓を飾るには、あまりに時間的余裕がないのだ。

その結果ここ数十年、内食率が低下し外食率が増えてきた。しかし食の外部化が進む一方で、米国の生活者は家庭崩壊の危機感を募らせてきたという。家族が揃って食卓を囲む機会が減り、親子、兄弟のコミュニケーションが薄れ、家族の絆が弱まるのではないかという危惧である。

生活者のニーズは、「短時間で食事の準備を整え、レストランなみのおいしさで、家族団欒で楽しみたい」というのが本音である。こうしたニーズに対応してより多くのお客様を獲得しようとする戦略こそHMRなのだ。

(2面につづく)

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