ラーメン&中華チェーンの冷やし麺特集:喜多方ラーメン 坂内「中華風冷やしラーメン」
●焼豚スライスで個性を訴求 平打ち熟成多加水麺で差別化
福島県喜多方市で50年余り続く老舗「坂内食堂」をルーツとしたラーメンチェーン。冠に「小法師」と付けた店舗を含め、首都圏を中心に57店舗展開する。
同店の冷やし麺メニューの定番は「中華風冷やしラーメン」で、2014年も例年通り5月1日からスタートさせた。
中華麺ではなく、平打ち熟成多加水太縮れ麺が特徴の喜多方ラーメンをそのまま冷やし麺商品にしている点が大きな特徴で、商品名を「冷やし中華」とせずに「中華風冷やしラーメン」としている理由でもある。
具材は焼豚、メンマ、キュウリ、薬味ネギ、紅ショウガ、練りからしの6種類で総重量は130g。とりわけ焼豚は、一般的な冷やし中華では細切りするところを、温かい喜多方ラーメン商品と同様にスライスしたものを5枚盛り付けることで、ボリュームと独自性を訴求する。さらに特筆すべきは、それら具材に加えて氷を盛り付けている点で、涼しげなシズル感を高めている。
スープは醤油ベースの中華風だが、酸味を抑えて「最後まで飲めるうま味」を追求した。麺はゆでる前の状態で170g。
もうひとつの冷やし麺メニューは「和風冷やしラーメン」で、こちらは年間を通して販売。具材は焼豚、メンマ、薬味ネギと温かい喜多方ラーメンと同様。丼も温かい麺と同じものを使ってスープをたっぷり注いでいるのもユニークだ。焼豚を別添えすることで、まろやかなトロ味を楽しめる。
また6月から期間限定で夏野菜を使った温かいラーメンメニューを投入する。
●店舗情報
「喜多方ラーメン 坂内」/経営=麺食/本社所在地=東京都大田区大森北2-14-2大森クリエイトビル6・7階、電話03・3298・6161/開業=1988年5月/営業時間=店舗により異なる/標準坪数・席数=18坪・25席/客単価=750円/店舗数=57店舗(2014年5月現在)
福島県喜多方市で昔から愛され続けている喜多方ラーメンは、1980年代に大きなブームとなる。その味にほれ込んだ現会長の中原明さんが喜多方ラーメンの老舗「坂内食堂」に弟子入りした後、坂内食堂店主を相談役に迎えて「喜多方ラーメン坂内」のフランチャイズ展開を開始。現在までに1都2府12県に57店舗を展開する。