愛用食材と料理技術:月盗 店の柱になる質の高い食材 多彩な料理で無駄なく活用
月盗は2024年のオープン以来、着実にファンを増やしている居酒屋。以前は喫茶店だったレトロな雰囲気の店内は、落ち着いて飲食を楽しめる空気感が魅力だ。
看板メニューとして力を入れているのが、「河内鴨」の創作料理。「自分がすごく好きな食材なので、店をやる際に、メイン食材になるものとして取り入れました」と、打屋聡士店主。河内鴨は、こだわりの飼料・飼育期間・飼育環境で生産される、高品質の合鴨。同店ではロース肉を使用し、「希少で高級な食材なので、余すことなく活用したい」と、メニューを考案している。
鴨料理の一番人気が「炭焼きタタキ」。断面の美しさとしっかりしたうまみが印象的な、鮮度の良さが感じられる一品だ。オーダーが入るごとに、特製の塩だけで味付けし、皮はパリッと中は火が入りすぎないように仕上げている。もと喫茶店の厨房のため焼き台を置く余裕がなく、炭火をおこした火鉢で焼いているとか。不利な環境を、柔軟な発想で克服している。
脂身の多い部分を包丁でたたき、たくあんと合わせた「鴨トロタク」も人気。脂身の活用では、炙り焼きのメニューも用意し、河内鴨の魅力を多彩に紹介している。
「仕入れたその日に使い切ることを基本に、極力ロスが出ないように取り組んでいます。今後もうちの柱として大切にしたい食材」と、打屋店主は語る。
●店舗情報
「月盗」
大阪市中央区徳井町1-4-10