関西版:創作洋菓子「大陸」 「姫路おでんケーキ」が人気
空前のショウガブームを追い風に、姫路土産の定位置を占めてきたのが「姫路おでんケーキ」(1本380円)。47年創業の老舗創作洋菓子店「大陸」が、ショウガ醤油を付けて食べる「姫路おでん」をケーキに見立てて開発したもので、2年前の姫路菓子博でデビュー。好評を博したことから、定番商品に昇格させた。原料には近隣コメ処、夢前町産米を使用した「夢前夢工房」米粉を使用している。
そもそも洋菓子といっても、同社のテーマは「和」。米粉を使ったケーキにも早期から取り組み、「お米の純生ロール」を誕生させ、米粉ならではのもっちり、フワフワの生地に丹波黒豆のほっくりした食感がマッチし、人気商品となった経緯がある。
さらに5年前、近所の食関連経営者が集まり「食・地の座」を結成し、地元食材を活用する取り組みをスタートさせた。これを機に、地元産米の中でも特に、健康付加価値の高い紫黒米と赤米を使用した洋菓子の検討に入った。
まずロールケーキを試作してみると、確かに栄誉豊かでおいしいものの、生米では紫黒色に輝く紫黒米もケーキにするとグレーと茶色をミックスしたような色、赤米もダークベージュに焼き上がり「とても売り物になるようなものではなかった」(岡本一社長)。
だがそこであきらめず「逆転の発想で、紫黒米はコンニャク、赤米は竹輪に見立て串に刺すことで、おでん形ケーキができる」(同)と思い付き、商品化を決定。だが、真ん中の卵だけは、同店売れ筋ナンバーワンの小麦粉で作ったチーズブッセ「あまんどクィーン」を見立てている。
一方、姫路おでんにつきもののショウガは試行錯誤の末、ホワイトチョコを加えパウダー状にしたものを貼付しており、トッピングするとケーキの味が引き締まり、独自性を高めている。
さらに「食・地の座」結成とともに、「お米の純生ロール」原料も夢工房産に100%切り替え「夢中の天地」として再デビューさせた。ほか、近隣の有名産地、太市(おいち)タケノコを使ったケーキやパイ、夢前産そばの「夢そばクッキー」など、その後も地産地消スイーツを続々誕生させている。
◆創作洋菓子の「大陸」
本店、大手前東店、青山店など姫路市内中心に9店舗を展開。うち本店だけ喫茶業態だが、洋菓子も提供。問い合わせは本店(姫路市錦町110番地、電話079・222・0071)まで。