惣菜弁当の殿堂(19)肉のはりよし「抹茶コロッケ」 抹茶の風味にほのかな甘さ
○京都・宇治のご当地コロッケ コロッケ片手に散策が観光風物詩に
肉屋の惣菜といえば、コロッケが定番中の定番。京都の宇治市には、定番コロッケに名物を加えて、人気商品になったものがある。その名物とは、日本三大茶の一つである宇治茶の抹茶。近隣の人だけでなく、観光客にも好評で、抹茶コロッケを片手に観光する人も多い。わざわざコロッケを目当てに宇治を訪れる人もいるほどだ。
●調理概要:衣はサクサク中身はしっとり
肉のはりよしのコロッケは、全てが手作り。どのコロッケも、衣はサクサク、ザクザクとした歯応えがあり、中はホクホクとしながらもしっとりとしている。衣の歯応えがいいのは、通常のパン粉ではなく、パンの耳が入った特別な生パン粉を使用しているから。看板メニューとなった抹茶コロッケは、その名の通り、コロッケに抹茶が入ったもの。西川昭旦店主は「安い抹茶を混ぜると、色も風味も劣る。頑張っていい抹茶使ってます」と、笑顔で話す。ほのかな甘味は、隠し味に加えた蜂蜜。ジャガ芋は、男爵芋を使用し、牛肉のひき肉も加えている。
●販売実績:地元名物で興味をそそる
観光地ゆえに、季節による変動は大きい。春から秋にかけての週末は1日500個くらい出る。ハイシーズンは、午後3時に売り切れてしまうことも。店主の西川昭旦さんが仕込みをし、妻の梅子さんがコロッケを揚げる。抹茶コロッケが最も人気があり、次に肉入りコロッケ(100円)、ポテトコロッケ(80円)、コーンコロッケ(90円)と続く。観光客は1人1~2個、地元客は5~10個のまとまった数でのオーダーが多い。
肉屋ではあるが、店舗の売上金額は、肉よりもコロッケの方が高いという。
●ポイント:抹茶に蜂蜜と玉ネギの甘味
創業は1978年。抹茶コロッケは2000年から始めた。当時、西川さんは進物として抹茶をいただくことが続き、「コロッケに入れたらおいしいかもしれない」とふと思いつく。これはいけると確信し、3ヵ月ほどの試行錯誤を経て商品化した。蜂蜜のほかにも、素材からのやさしい甘味を生かすための工夫をしている。玉ネギは、前日に炒めて、いったん冷凍する。翌日にその玉ネギを使うと、このひと手間によって甘味が増すという。宇治の抹茶が味わえるコロッケは、宇治名物の一つになっている。
●食材・資材の決め手
使用資材:コロッケの抜き型 オリジナルの抹茶コロッケ型
コロッケの種類によって抜き型を変え、抹茶コロッケは丸い型を使用。全て手作りのため、均一にするためにもこの型が活躍。型に、コロッケのあんを入れ、スケッパーで余分なものをさっと取り除く。特別にオーダーして台湾で作ってもらった、なくてはならないコロッケ作りの相棒である。
◆店舗概要
「肉のはりよし」 所在地=京都府宇治市宇治壱番14-2/営業時間=午前9時~午後7時 年中無休/事業内容=1978年創業。90年に現在の店舗に移動。それまでは、現店舗のとなりに店1日4,000~5,000個売れ、3日前からフル回転で仕込む。














