長野・山梨地区新春特集

総合 2021.01.13
長野・山梨地区新春特集

 新型コロナウイルスの猛威が続く中で明けた2021年。長野、山梨両県の食品業界も、柱の観光需要や業務用関連を中心に深刻なダメージを背負ったまま、厳しい船出となった。本紙が行った域内食品業界へのアンケート調査で、今年の抱負・期待に寄せられたのは「コロナの収束」が圧倒的に多数。自助努力だけでは到底及ばない難問に、悲痛な願いが向けられている。いまだ出口が見えないコロナ禍だが、事態の長期化に伴った「ウィズ・コロナ」、消費・市場環境の変化を見据えた「アフター・コロナ」への対応は、域内業界にとっても避けられない課題だ。想定される買い物頻度の低下や通販・宅配の利用といった「ニューノーマル」の消費・購買スタイルは、少子高齢化が著しく進む地域社会で遠からず求められたであろう形ともいえる。
 「近い将来」が前倒しとなった格好の「ポスト・コロナ」の新時代に、どう向き合っていくのか。「売上げ、利益、成長、すべて互いが幸せになる手段であり、目的ではないことを知るべき。会社の『あり方』について関心が高まると思う」(製造)。各社は感染拡大防止に加え厳しい経営・事業環境とも戦いつつ、内食の多様化に向けた商品開発、リアルとネットの横断的な商品展開、地域密着の強みを生かした産学官連携の新ビジネス構築などに取り組む構えだ。(長野支局長=西澤貴寛)