寒天特集

水産加工 2022.07.15
寒天特集

 伝統と先進性を併せ持つ食品の寒天。350年以上続く冬場の天然製造、豊富な食物繊維による健康機能、物性開発の進展が開く新市場など、多彩な価値を併せ持つ。
 世界的な新型コロナウイルスの感染拡大から2年半、需要に大きなウエートを占める和菓子原料などを中心に、寒天市場はダメージを負ったが、“ウィズ・コロナ”へのシフトが段階的に進む中、回復基調も見え始めている。“巣ごもり需要”で、粉末寒天をベースにした家庭用のゼリー・デザート素材商品などが見直されたことも、プラス材料だ。一方で、ロシアのウクライナ侵攻などを背景に悪化の一途をたどる原材料価格、製造エネルギー費、物流費などのコスト事情は、寒天業界にも深刻な影を落としている。(長野支局長=西澤貴寛)