8月18日。今日はビーフンの日
8月18日はビーフン協会が制定したビーフンの日。ビーフンの原料である米に深く関係する八十八の数字になぞらえている。
戦後、アジアからの引揚者の要望によって普及し始めたビーフン
戦後の食糧難が一段落した1950(昭和25)年、高村健民氏(ケンミン食品創業者)が神戸で、 アジア各国でビーフンの味を憶えて引き揚げてきた人々の間で 「もう一度ビーフンを食べたい」という要望が強いことを知り、日本で初めてビーフンの製造をスタートさせた。同時にケンミン商会を設立、同社が後にビーフン市場では圧倒的なシェアを占める、ケンミン食品に成長した。
発売当初は、在日中国人や中華料理愛好家、アジアからの引揚者にはすんなりと受け入れられたものの、一般には認知度が低く、ゆで方や味つけなど調理 方法がわかりにくいこともあり、普及するまでにはいたらなかった。そこで同社は、外食店や学校給食、料理学校などに向けて普及の努力を重ねていった。結果、日本独特のビーフンの料理法や同社独特のビーフン商品の研究・開発が進んでいったという。
ビーフンの認知向上に貢献したのが、同社が1959(昭和34)年に発売した「即席焼きビーフン」だ。味を吸収しやすいというコメの特性を利用して、あらかじめめんに味をつけると同時に、湯戻し不要、フライパン一つで簡単に調理できるなど高い簡便性を実現。ヒット商品へと成長した。その後同社は82年に、さらに簡便性を高めた冷凍ビーフンを発売、ビーフンの普及は加速していった。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:佐藤路登世 ))