9月26日。今日はプルーンの日
毎月26日はプルーンの日。サンスウィート・インターナショナル日本支社が制定した。日付の由来は語呂合わせから。
プルーンは2つの海を越えてやってきた
プルーンの歴史は古く、紀元前にさかのぼる。発祥の地はカスピ海沿岸のコーカサス地方だとされている。そこからプルーンは西の方へ旅し、南ヨーロッパ、西ヨーロッパおよびバルカン半島地域に定着し、今日でもこれらの地方でプルーンは採れる。定義からいえば、プルーンは乾燥したプラム(すもも)。しかし、すべてのプルーンはプラムからできるが、すべてのプラムがプルーンになるわけではない。種がついたまま乾燥させても発酵しないプラムだけがプルーンとなる。
米国・カリフォルニアプルーンの苗木がフランスの植木職人ルイ・ペリエによって運ばれてきたのが1850年。彼は金を求めてカリフォルニアヘやってきた が、その夢を捨て、そのかわりに肥沃なサンタ・クララ渓谷に土地を買って本来の植木職人に戻った。その後兄ピエールもカリフォルニアにやってきてルイと一緒に仕事をすることになり、 出身地であるフランス南部のアジャンで栽培していたプルーンの苗木を野生種のプルーンに接木し、これがカリフォルニアプルーンの誕生となった。したがって、カリフォルニアプルーンは、南フランスを原産地としたダジャン種であり、熟した時、外皮はきれいな紫色となり、果肉は琥珀色になる。
1900年頃には、カリフォルニアのプルーン畑も9万エーカーに増えたが、今日では農業技術の改良で、エーカーあたりの収穫量もぐっとよくなった。サクラメント、サンタ・クララ、ソノマ、ナパ、サンワーキン渓谷を中心にプルーン畑が広がり、全米での全生産量の99%、世界のプルーン生産量の約50%を生産している。
日本に入ってきたのは、戦後の連合国軍として米軍が駐屯していた時期である。日本国内は、食糧危機に直面しており食糧援助物資として、とくに飢えに苦しんでいた子どもたちに対してプルーンは配給された。現在、80歳前後の人々のなかには、戦後プルーンを食した経験のある人が多いのではないかと思われる。
その後、プルーンは日本国内には定着せず、プルーンという名前のついた商品が次に登場しだしたのは、1970年代の頃で、プルーンエキス(当時プルーンエキスの認知形態は、高級健康食品)であった。ミラクルフルーツと称して、薬局、訪問販売、 健康食品専門店など、一般の食品スーパー以外のルートから販売がスタートしている。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:カリフォルニアプルーン協会 金子美和 ))