10月18日。今日は冷凍食品の日
10月18日は日本冷凍食品協会が制定した冷凍食品の日。日付は冷凍の凍(10)と、冷凍食品の管理温度が−18℃であることにちなむ。
冷凍食品、発祥の地は北海道
日本で冷凍魚がはじめて生産されたのは1919(大正8)年、網代でシャープフリージングによる魚の急速凍結と、その後の1年にわたる冷凍保管に成功したこととされる。1920年から北海道の森町で冷凍魚が本格的に生産されたため、この森食品加工 (現在のニチレイフーズ森工場)がわが国の冷凍食品発祥の地とされている。その後1923年下関の林兼商店(現在のマルハニチロ)がオッテゼン式凍結装置を導入し急速凍結による冷凍魚の実用化がはじまった。
昭和に入って北九州で戸畑冷蔵(現在の日本水産)が設立され、凍結装置の改良と冷凍魚の品質向上に貢献した。同社は 1930(昭和5)年イチゴ、翌年にはグリンピースと試作凍結を行い、以降1939年頃までに各種農産物の凍結に成功し実用化した。
第二次世界大戦終結後アメリカでの冷凍食品の急速な普及に刺激され、国内での研究・試作も活発になった。1948年に日本冷蔵(現在のニチレイ)がライ ファン詰めのホームミート、ホームシチュウと称する調理冷凍食品をデパートで試売したのが、現在の定義でいう冷凍食品の始まりと思われる。
1952年には東京渋谷のデパートに冷凍食品売り場ができ営業的には難しい状況が続いたが、冷凍食品市場としての動きはこの頃より徐々に活発になってきた。
これ以降1957年の南極観測隊への納入、1964年の東京オリンピック選手村への納入といったイベントも経て、業務用冷凍食品の需要が着実に伸びてきた。
小売用の冷凍食品もこの頃より活況を呈しはじめ、エビフライ、カキフライ、ハンバーグ、うなぎ蒲焼、茶碗蒸し、コーンスープなど冷凍食品として現在よく知られている商品アイテムが世に出てきた。冷凍シューマイ、ギョーザ、コロッケなど現在の売れ筋商品も昭和40(1965)年代の初めにはほぼ出揃ったといえる。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:一般社団法人 日本冷凍食品協会 尾辻昭秀 ))