11月15日。今日は昆布の日
11月15日は子どもたちの健やかな成長を祝う「七五三」であり、「子どもたちの七五三のお祝いに栄養豊かな昆布を健康のために食べてもらいたい」という思いから、日本昆布協会によって制定された。
蝦夷地から沖縄を経由して中国まで繋がった「昆布ロード」
昆布の歴史については古事記 や日本書紀にもその名が登場するほどとても古いが、あまりにも古いことから、確かな記録はほとんど残っておらず、縄文時 代の末期、中国の江南地方から船上生活をしながら日本にやってきた人々が、昆布を食用としたり、大陸との交易や支配者への献上品としていたのではない かといわれている。北海道がまだ蝦夷地とよばれていた頃から、昆布は日本海を船で敦賀まで運ばれ、陸路を通って京都まで運ばれていた。さらに江戸時代になると、松前や江差から北前船を使って、下関、瀬戸内海をまわって大阪まで運ばれるようになった。昆布を運んだ航路を「昆布ロード」といい、その後、この昆布ロードは江戸や沖縄、遠く中国まで伸びていった。日本の首都である東京を中心とした関東地方が、実は昆布の歴史のなかでは、後半に登場となっており、対して沖縄は日本と中国との昆布貿易の中継地として、重要な役割を果たしたというのは興味深い話である。こうして昆布は古くから日本の食文化に欠かせないものとなったが、現在でも北陸、関西、沖縄の昆布消費量が多いのはこの昆布ロードの影響によるものと考えられている。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:北海道漁業協同組合連合会))