漬物特集2024
漬物市場は価格の適正化と、選ばれるための価値訴求に取り組んでいる。新米が出回り端境期のコメ不足が回復しつつある現在、コメの値上げが話題だ。高止まりによるコメ食離れの加速が予想でき、同時に「コメと合う」漬物の消費減も懸念される。(志賀愛美)
-
◆漬物特集:選ばれるため価値訴求を 価格適正化も急務
農産加工 2024.11.28漬物市場は価格の適正化と、選ばれるための価値訴求に取り組んでいる。新米が出回り端境期のコメ不足が回復しつつある現在、コメの値上げが話題だ。高止まりによるコメ食離れの加速が予想でき、同時に「コメと合う」漬物の消費減も懸念される。厚生労働省の毎月勤労統計…続きを読む
-
漬物特集:原料事情=梅 安定供給に課題も 持続可能な生産システムを
農産加工 2024.11.28気候変動による品質低下や収量減少が梅の生産現場で大きな課題となっている。高温、豪雨、台風、降雹(ひょう)などは人為的に操作できないため、被害を抑える対策を立てられても全面的に影響を回避することはできない。日本最大の梅産地である和歌山県では、梅そのもの…続きを読む
-
漬物特集:原料事情=ショウガ 豊作もコスト上昇で高値続く
農産加工 2024.11.28現在、ガリや紅ショウガをはじめとするショウガ漬けの多くがタイ・中国産の輸入原料を用いている。23年はエルニーニョ現象の影響による干ばつでタイ産が不作、中国産も内需の生鮮ショウガの高騰に為替の影響が重なり、塩蔵ショウガはタイ・中国産ともに14年の過去最…続きを読む
-
漬物特集:新潟県漬物工業協同組合 「フリーズドライ漬物」次のステップに向け試…
農産加工 2024.11.28新潟県漬物工業協同組合は、漬物の新しい可能性を探り、昨秋から「フリーズドライ漬物」の開発に取り組んでいる。10月30、31日に全国の中小企業組合が集結する「組合まつりinTOKYO」が東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催した。同組合は今回初めて…続きを読む
-
漬物特集:全国単品売上高ランキング KSP-POSデータ23年7月~24年9…
農産加工 2024.11.28全国1000店舗超の食品スーパーが参画するKSP-POS(KSP-SP社運営)の金額実績を基に、漬物カテゴリーの単品売上高ランキング(全国・カテゴリー別)を取りまとめた。集計対象期間は23年7月~24年9月まで(カテゴリー別では24年1~9月)。当該…続きを読む
-
漬物特集:カテゴリー動向 需要に二極化傾向も
農産加工 2024.11.28●キムチ 価格転嫁は進行中 漬物市場で最大カテゴリーのキムチはランキング100位のほとんどを白菜キムチが占めている。20位圏内のアイテムでは全国展開している東海漬物、ピックルスコーポレーション、備後漬物、美山などのNB商品が並ぶ中、シジシージャパン…続きを読む
-
漬物特集:ピックルスコーポレーション キムチ・浅漬けを強化
農産加工 2024.11.28●新工場に主力製造集約 ピックルスコーポレーションは白菜が旬を迎える冬に向け、キムチと浅漬けの販売を強化する。12月から稼働する茨城新工場(茨城県八千代町)には、主力の「ご飯がススムキムチ」製造ラインを集約し、既存工場の製造キャパシティーに余裕がで…続きを読む
-
漬物特集:新進 「トリュフ香るメンマ」 香り・歯応え楽しめる
農産加工 2024.11.28130周年を迎えた新進は、9月から「トリュフ香るメンマ」を発売した。香りと歯応えを楽しめる味付けメンマで、8月に開催した「新商品グランプリ2024秋冬」で冷蔵食品部門3位を受賞した。そのまま食べるだけでなく、炒め物やラーメンに液ごと加えて調理できる汎…続きを読む
-
漬物特集:岩下食品 「岩下の新生姜」に注力 ブランド基盤確立へ
農産加工 2024.11.28「岩下の新生姜」ブランドで知られる岩下食品は、上期の売上げは前年比微増。紅生姜は昨年から好調が続くが夏場以降は動きにやや落ち着きがみられるものの、新生姜製品は夏場以降も前年実績を上回る動きとなっている。 らっきょうの売上げは堅調に推移している。岩下…続きを読む
-
漬物特集:東海漬物 より辛いカップ商品 「プチ辛口キムチ」堅調
農産加工 2024.11.28東海漬物は、今秋発売した「プチ辛口キムチ」が堅調に推移している。既存の「プチこくうまキムチ」より辛口のカップ商品で、利便性と一定の辛いもの需要に応えてラインアップを強化した。引き続き「こくうまキムチ」ブランドの拡張や、浅漬けの「ぷち!」シリーズなど個…続きを読む
-
漬物特集:遠藤食品 高塩分印象和らげる 栄養成分表示を変更へ
農産加工 2024.11.28国内ガリ製品トップメーカーの遠藤食品は、来年以降に向けて全アイテムの栄養成分表示を100g当たりから1食分(10g当たり)の数値へと変更を進めている。 主に塩分量について、1食分の表記にすることで、高塩分という漬物のイメージを積極的に払しょくする狙…続きを読む
-
漬物特集:やまう 大容量タイプを発売 長期保存でき割安感も
農産加工 2024.11.28物価高騰が続く中、コメの価格が高止まりとなっている現況に、やまうは「コメと消費する漬物への逆風はさらに厳しくなるだろう」と指摘する。 「今後は消費者の声を参考に、より一層求められる商材を開発する必要がある」との見方から、今冬は主力のデリカカップ(D…続きを読む
-
漬物特集:山本食品工業 主力3本柱順調推移 販路拡大など効果
農産加工 2024.11.28ラッキョウ、ショウガ、ニンニクの3本柱で展開する山本食品工業は、24年9月期決算が前年の107億円を上回る113億円で着地した。主力3本柱の売上げが順調に推移し、価格適正化や販路拡大の効果が出ていると同社はみる。 理念の「うまさと健康を届ける」を志…続きを読む
-
漬物特集:美山 キムチ市場活性化へ ニーズの多様化に対応
農産加工 2024.11.28国内のキムチ専門トップメーカーの美山は、国内産、韓国産、中国産を取り揃えたラインアップを強みに、キムチ市場の活性化を目指す。こだわりの原材料と独自の製法によるキムチの紹介で、多様化するニーズに応えた提案を進める。 国内産キムチの製造はその大半を千葉…続きを読む
-
漬物特集:秋本食品 「プチカップ」第2柱に 小容量でも満足感を
農産加工 2024.11.28秋本食品は、上期の売上げが前年並みだった。昨年20周年を迎えた看板商品「王道キムチ」は一年を通したプロモーション効果が現在も継続し、前年比5%増と好調。6月の展示会で紹介した適量タイプの漬物「プチカップ」シリーズが好評を受け、前年比10%増と順調に推…続きを読む
-
漬物特集:中田食品 デジタルツール活用 顧客体験高付加価値化へ
農産加工 2024.11.28中田食品は、顧客体験の高付加価値化の一つとして、デジタルツールを活用した販売施策を強化している。 11月1日~12月31日の2ヵ月間は、人気の「豊熟梅」シリーズを対象としたデジタルキャンペーンを開始。気候変動の影響から原料梅の収量が不安定化する中、…続きを読む
-
漬物特集:伊勢惣 「みやここうじ」好調 麹の新たな使い方注目
農産加工 2024.11.28伊勢惣は、メディアの影響もあって「みやここうじ」の販売が好調だ。昨年はTVや書籍などに同社の「みやここうじ」が紹介され販売量が増加。今年も「麹水」をテーマにしたムック本が発売され、同社への問い合わせが増えている。 足立昇司専務は「麹ブームは『塩麹』…続きを読む
-
漬物特集:三栄源エフ・エフ・アイ 多彩な製品を提案 課題の解決に尽力
農産加工 2024.11.28三栄源エフ・エフ・アイは漬物市場に向けて、赤ダイコン色素や高甘味度甘味料の製品を積極的に提案している。多彩な製品ラインアップを活用し、漬物における課題の解決に尽力している。 赤ダイコン色素製剤「ベジタレッドDK」は、原料由来の臭いを低減し、経時的な…続きを読む
-
漬物特集:専業卸有力トップインタビュー コメ食離れ加速で消費減懸念
農産加工 2024.11.28段階的に値上げを実施するも、全面的な価格適正化はいまだ道半ばの漬物市場。コメ食離れによる消費減が長年の課題だが、現在はコメ価格の高止まりが話題となり、今後も消費減退の加速が懸念される。気候変動や世界情勢の影響による原料不足・高騰などの課題も浮き彫りと…続きを読む
-
漬物特集:東京中央漬物・齋藤正久社長 寄り添う商品づくり注力
農産加工 2024.11.28◇専業卸有力トップインタビュー 在京有力専業卸の東京中央漬物は節約志向の消費者に漬物が選ばれるための方法や価値を模索している。9月には「物価高に負けず新たな商品価値の発見~和食回帰で漬物摂取~」をテーマに都内で自社展示会を開催。恒例の自社コーナーと…続きを読む
-
漬物特集:ダイニチ食品・磯貝幸弘社長 糖しぼり大根、販路拡大を
農産加工 2024.11.28◇専業卸有力トップインタビュー 愛知県東海市のダイニチ食品の主力商品「新鮮生一本糖しぼり大根」の販路が東海地方にとどまらず、首都圏や関西などの地方の量販店にまで拡大し、国産回帰が進む中、今後に期待がかかる。今期(25年3月期)からSNSでの情報発信…続きを読む
-
漬物特集:堺共同漬物・林野雅史社長 伝統野菜を次世代へ継承
農産加工 2024.11.28◇専業卸有力トップインタビュー 「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」。泉州水ナス漬けをはじめとした漬物の製造および卸売を手掛ける堺共同漬物は、今期の経営方針を「不易流行」のひと言で表す。伝統産業である漬物業界の発展には「守…続きを読む