メニュートレンド:異色のうまさ!スープも具もパイナップル 「パイナップルラーメン」
黄金色に透きとおったスープと真っ直ぐな細麺の上にのせられた具材の真ん中にはカットしたパイナップル。しかもスープまでパイナップル味という異色ラーメンで話題を集めているのが東京・西荻窪の「パイナップルラーメン屋さん パパパパパイン」だ。その意外すぎる味を求めて、遠方からもお客が訪れるという。
◆甘くて酸っぱいラーメン求め行列
メニューはパイナップルラーメンだけで、塩、醤油、辛口の3種類とそれぞれのつけ麺、そして冷やしと思い切ったラインアップ。
スープは、昆布と煮干しで作ったあっさり系のだしにパイナップルジュースを合わせる。具材はカット・パイナップルの他、チャーシュー、海苔、ホウレンソウ。薬味はたっぷりの刻みネギに、グリーンペッパーをかけて糸唐辛子をのせる。麺はストレートな細麺を使用。果たしてその味は、海の味わいとも言うべきだしの風味の後からトロピカルな甘味と酸味が届いて、食べすすめるうちにくせになっていく。
店主の倉田裕彰さんは濃厚魚介系スープで有名なラーメン店に勤めていた経験を持つ。独立には真逆のあっさり系スープを選ぶが、「味の差別化が難しく目立たない」と気付いて悩んだ結果、以前開発して好評だったパイナップルラーメンの商品化を選んだ。
ブレークのきっかけは限定ラーメンとツイッターだ。「お客さまに薦められて何となく始めた。パイナップルラーメン以外のフルーツを使った1日限定ラーメンを開発し、ツイッターに書き込んだところ、そこから集客が加速しはじめた」と倉田さん。以来、キウイ、オレンジ、バナナ、リンゴ、コーヒーなどを使った限定ラーメンを次々と打ち出して話題を集める。バレンタインデーにちなんでチョコレートを溶かし込んだ「カカカカカカオ」は用意した60食が完売した。
限定ラーメンの期間は1~2日間と短いが、すでに20種類近くになる。「ツイッターのおかげで、限定ラーメンを楽しみにしてくれるお客さまがどんどん増えている。これからも意外性とおいしさを両立するものを提供していきたい」と倉田さんは意気込む。
●店舗情報
「パイナップルラーメン屋さんパパパパパイン」 店舗所在地=東京都杉並区西荻南3-12-1 日伸西荻プラザ1F、電話03・3247・2181/開業=2011年6月/営業時間=午前11時~午後8時、水曜定休/坪数・席数=5.3坪・6席/客単価=800円
●愛用資材・食材
「デルモンテ パイナップルジュース」
フィリピン産 販売=キッコーマン食品(東京都港区西新橋)
「濃縮還元もあるが、ストレートジュースの方がパイナップルらしい風味が出る」と倉田さんはスープに採用。フィリピン産の完熟パイナップル果汁100%で、本来の甘さと酸味のバランスがよい。スープとジュースの割合は3対1。オープン当時はパイナップル味を強調しようとジュースを多めに入れていたが、お客の反響をみながら微調整を繰り返し、現在の味に落ち着いた。甘味料など合成添加物は不使用。
規格=常温 1.36L缶