植物の優れた抗酸化パワーを上手にとる方法
野菜や果物をよく食べる人はがんにかかりにくいことが疫学調査で確認され、植物の機能性が注目されている。地球上で活性酸素の影響を一番強く受けながらも、たくましく生きる植物。日の出から日没まで紫外線にさらされ、体内に大量に発生する活性酸素と戦うために植物の体内では絶えず抗酸化物質が作り出されているのだ。
「植物と同じく好気性生物から進化した人間の身体にも、抗酸化酵素を作り活性酸素の害から身を守る優れた防御メカニズムが備わっています」と、お茶の水女子大学生活科学部食品化学研究室・森光康次郎助教授。「身体の中で作られる抗酸化酵素は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼといった機能性タンパク質。これらに加え、ビタミン・ポリフェノールなど食物から摂取する抗酸化物質とが協力し合って活性酸素を抑えるよう働くのです」。
例えば、抗酸化物質・ビタミンEは、ビタミンCがないと効率よく働けず、逆に悪者になることも。「野菜・果物・穀類・肉・魚など多様な食品を適量、毎日きちんと食べていれば、栄養バランスもよいし、多種類の抗酸化物質を連携して働かせることができます」。
◆抗酸化物質は毒にも薬にも “神様のさじ加減”適量を守って
悪い面ばかり強調される活性酸素だが、有意義な働きも。例えば白血球は外部の有害菌に活性酸素を振りかけて破壊する。また活性酸素は、がんの治療薬としても利用される。
一方、“正義の味方”役の抗酸化物質だが、身を守るプラス面だけでなくマイナス面も併せ持つ。「米国では抗酸化野菜・クレソンの過剰摂取により腎機能障害が多発した例も報告されています」(森光助教授)。人気の緑茶カテキンも、やみくも大量投与すれば、逆に活性酸素を発生させる懸念が指摘されている。
「人が一度に食べる野菜の量は各々だいたい決まっていますね。不思議とそれは人体に等しい有効性をもたらす機能成分を含んでいるのです。まるで特定の生理活性成分の過剰摂取を未然に防ぐために、神様がさじ加減を教えてくれたかのよう。常識的な量の野菜を多品目食べること。それが抗酸化物質をバランスよく摂取する秘訣です」(同助教授)。
◆本わさびにはブロッコリーの20倍
本わさび中の抗酸化物質・イソチオシアネートは、ブロッコリーに含まれる量に比べ約20倍も多い。しかし、1回の食事で食べる量はブロッコリーで約100グラム、わさびはせいぜいその20分の1の5グラム程度で、結果的にはほぼ等量の抗酸化物質を摂取することになる。














