健康関連食品特集

◆健康関連食品特集:食通じた健康促進に貢献 19年も成長持続

総合 2020.05.18 12052号 07面
さまざまな健康ニーズに対応すべく、売場には多くのアイテムが並ぶ。飲料・乳製品を軸に裾野も拡大中

さまざまな健康ニーズに対応すべく、売場には多くのアイテムが並ぶ。飲料・乳製品を軸に裾野も拡大中

健康関連食品は19年も成長を持続、食を通じた健康促進に貢献している。6年目を迎える機能性表示食品は拡大を続け、特定保健用食品(トクホ)・栄養機能食品と合わせ、制度型健康食品として多様な健康ニーズに対応。高齢化に加え、健康・美容志向を背景にトータルでは1兆4500億円の巨大市場規模(本紙推定・サプリメント含む)に成長した。新型コロナ感染拡大でスタートした20年は先行きは不透明なものの、通年での価値発信や商品提案が濃厚。免疫力向上への関心が高まるのに伴い新需要が発生するなど明るい材料がある一方、インフラ面などで不安も残る。(村岡直樹)

●20年、不安あるも新需要発生

本特集では栄養機能食品・トクホ・機能性表示食品の制度型健康食品に加え、健康性を価値訴求の主軸に据える食品(一部サプリメント含む)を「健康関連食品」とする。19年の市場は機能性表示食品が2桁増を継続。トクホも前年を超え、市場規模を拡大させた。 機能性表示食品は登録数が3000の大台目前に迫り、金額規模も急伸。カニバリを一部受けたトクホだが、前年を超える快挙を達成し、生活者の健康志向の強さをあたらめて証明した。

市場は1970年代、主にシニア向けとして誕生。転換期となったのは90年台後半からのトクホの拡大で、生活習慣病対策などに対応する市場として基盤を構築した。これに加え、近年では美容・健康志向の浸透により一大市場としての地位を確立。手売り・通販の両分野で需要を拡大し続けている。

東京2020大会が延期となった20年は、一部ジャンルを除き、外出自粛に伴う生活習慣病防止へのニーズ拡大や、感染免疫力への関心に伴う健康食品への新需要が生まれている。自粛明けからは、開催へ向けスポーツ志向が上乗せされることが確実で、通年での価値訴求を丁寧に行えば、市場は拡大基調を継続するとみられる。

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