アポなし!新業態チェック(181)「フォーハノイ屋台33」ルミネエスト新宿店

2022.09.05 523号 11面

●飲食2社がコラボしたベトナム麺料理店 フォーに特化、本場の味と雰囲気、商業施設内に屋台風オープン店舗

「バインセオサイゴン」「フォーハノイ」などのベトナム料理店を展開するP4と、飲食店や飲食イベントの企画、プロデュースや運営を手掛けるザップ・ダイニングインスパイアーがコラボレートし、東京・新宿駅の商業施設にベトナム麺料理の「フォーハノイ屋台33」をオープンした。

「33」はベトナム語で「バーバー」と読む。同店のメイン商品であるベトナムの米麺フォーを33種類も揃えたメニューにちなんだ名称だ。「鶏肉のフォー」(1408円)、「フォーボーフエ」(1518円)など、さまざまなスタイルのフォーにはどれも、ハーフの生春巻き、揚げパン、追い野菜、小さなデザートが付く。ほかに、3種類の「バインミー」(サンドイッチ)と4種類のフォーを組み合わせたセットメニュー(1628円~)や、春巻きなどのサイドメニューもある。ベトナムを代表する「チェー」や「ココナッツアイス」「マンゴープリン」「スイカジュース」「生ココナッツジュース」など、スイーツやドリンクも充実。酒類メニューは「333」や「ハノイビール」「レモングラスサワー」など。卓上には本場の調味料が並び、ロータスティーはセルフで飲み放題となっている。

両社がタイアップしたプロジェクトの第1弾は、2021年1月に恵比寿にオープンした「バインセオサイゴン屋台」だ。こちらは幅広いベトナム料理をカジュアルに提供する小型店だったが、今回は商業施設内にカラフルなアジア風のオープン型店舗を再現した。

(価格はすべて税込み)

★けんじの評価 若い女性集める飲食フロアに適応

P4が展開するベトナム料理店はどれも本格的なメニューで女性を中心に人気が高い。両社がコラボしたプロジェクト第1弾の「バインセオサイゴン屋台」も同様に、オープンして間もなく繁盛店となっている。「フォーハノイ屋台33」が出店した商業施設「ルミネエスト新宿」は、かつて「マイシティ」と呼ばれる独立した駅ビルだったが、06年にルミネに吸収合併された。7階と8階のフロアは08年にリニューアルした「7&8DINNER」という愛称の独立したレストラン街となっていて、同店があるのはその8階だ。

「ルミネエスト新宿」の建物はかなり古いものであるため、この2層の飲食フロアは、下層の物販フロアとは切り離された少し特別なゾーンになっている。都心部の商業施設ということもあって、もともとテナント構成も郊外型の商業施設とはかなり異なっていたが、現在の同フロアはあまり他に類を見ない独自の飲食ゾーンとして一見の価値がある。若い女性客にターゲットを絞り特化したテナント構成や、フロアの一部で客席と店舗の境界をあいまいにした構造。それは、飲食フロア全体が一つの店舗のようになったアジアンなフードホールといえるかもしれない。

同じ年代であっても渋谷とは微妙に異なる客層をとらえたそうした特殊な空間の中で、同店はそれなりのポジションを得ているようにも見える。今後、同店が安定的な評価を得るかどうかは未知数だが、都市型飲食店の可能性の一つとして注目に値するのではないか。

◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

●店舗情報

「フォーハノイ屋台33」ルミネエスト新宿店

開業=2022年4月8日

所在地=東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿8階

編集協力:株式会社イートワークス

http://www.eatworks.com/

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