Z世代の「理想の朝食」は利便性やヘルシーさがキーワード

「朝食を食べない家庭や子どもの増加」「朝食と脳の関係性」「一日三食の推奨」など、朝食に関する食卓環境の課題に対して国が指針を出すようになって久しい。一日の活動範囲の拡大や、学習意欲の向上、生活習慣の改善など、朝食がもたらす効果があるとされ、一食100円で在学生に朝食を提供する大学などが話題になったこともある。しかし朝食を食べる習慣の学生と食べない学生は今もはっきりと分かれており、これは社会人に関しても同様といえる。

コンビニで買える「理想の朝食」は?大学生98人を調査

では、実際のところ大学生は朝食をどのようにとらえているのか、「コンビニエンスストアで購入すると想定した際の貴方にとっての理想の朝食」を98人の現役大学生に考えてもらった。

「コンビニエンスストアで購入すると想定した際の貴方にとっての理想の朝食」を現役大学生に意識調査

料理を一切しない学生がいることから、今回は、Z世代にとって身近なコンビニで朝食を買う場合、という条件で各自の理想の朝食を考えることにした。そのため、現在のコンビニには販売されていない商品を中心に、しかしあくまでもコンビニの値ごろ感をもった価格帯で購入可能な商品をイメージすることを前提とした。また、(1)購買動機の想定、(2)商品コンセプト、(3)絵コンテ(イメージ画像、イラスト)、(4)主たる客層の想定なども考えることにした。

考案された朝食は、(A)典型的な和定食や栄養バランスを考えた定食スタイルの朝食と、(B)利便性を重視した朝食と2分化される結果となった。ただ、(A)(B)ともに栄養バランスを視野に入れた朝食を考えた学生が3割程度いた。また、(B)に関しても、利便性を重視しながらも、それに加えてヘルシー感をコンセプトにした朝食が3割程度いる結果となり、全体として、想像以上に健康に意識をおいて食べ物をとらえているといった印象だった。

和定食の理想と現実

焼き魚と卵焼き、海苔などとご飯のセットといった和定食を理想の朝食に掲げた学生も全体の3割近くいた。学生に限らず、成人含めて、日本の朝ごはんといえば、依然として大半の人が焼き魚とご飯と味噌汁のセットをイメージするようだ。

朝食でイメージされる焼き魚とご飯と味噌汁などのセット

しかしながら、実際にはそういった和定食を毎朝食べている人はまれである。そのため、学生においても、和定食を理想とする“理想”の意味は、「自分にとっての理想形なのか」もしくは「一般的にイメージする理想なのか」さらに深掘りをしないと確認はできないと思っている。しかし、和定食以外にも、利便性の高いおにぎりや団子、おかゆなどを考案した学生が一定数いることから、Z世代が朝からコメを食べることに抵抗がない点も着目したい。

「体にいい食事」という発想の流れが

一方、「飲む朝食」など利便性を優先した朝食を考案した学生も多かった。利便性の高い朝食では、忙しくても歩きながら食べられるといったコンセプトが目立った。また、ミニおにぎりやミニドーナツなど一口サイズのもの数個セットにする傾向もあり、これらもカテゴリーとすれば片手で食べやすい利便性朝食だと考えられる。

第一屋製パンの「朝食パニーニ<ハム&チーズ>」

また、パンケーキやどら焼き、クレープ、団子、砂糖入りヨーグルトなどの甘い朝食を考案した学生は女子学生を中心に目立った。しかし、お菓子類を朝食にアレンジする学生はいなかったことから、Z世代にとって、スナック菓子は「食事」にしてはいけない、という感覚が働いていることがわかった。

野菜や彩りを気にして考案している傾向も強く、「栄養バランス」「健康的」「野菜多め」「太らない」といったワードも多く出たことから、全体として「理想の朝食」には、すなわち「体にいい食事」という発想の流れがあることも見えてきた。(食の総合コンサルタント小倉朋子)

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