漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(183)夏至 昼は長いけれど、梅雨
●24節気 夏至(6月21日~7月6日頃)
1年で最も昼の時間が長い時ですね。24節気にはそれぞれ特徴のある風習がありますが、なぜか夏至にはあまりありません。この時期は麦の収穫や稲の田植えなど農家にとって最も忙しい時期であることが関係しているようです。
世界を見てみると、ヨーロッパ、特に緯度の高い北欧の国々では、夏至のお祭りはクリスマスと並んでキリスト教伝来以前から大事にされてきた行事。冬が長く夏の短い北欧では、太陽の光に長く触れることのできる夏至は健康のためにもとても大切なのでしょう。
日本では蒸し暑さで食欲も落ちてしまいがちな梅雨の盛りです。こんな季節は、熱を下げてくれて食欲を増進させる効果がある夏野菜の代表格・トマトを食べて元気に過ごしたいものです。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2025年(乙巳年)
客運が木運不及と木気が弱いため、主運の土運太過を抑制できず、梅雨が長引きそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆鯛と夏野菜のトマトジュレ
トマトとだし汁のジュレで暑さ対策
エネルギー163kcal たんぱく質17.3g 塩分1.5g(1人分)
〈材料・2人分〉
・鯛(切り身)……2切れ
・塩……少々
・オリーブオイル……小さじ2
・たまねぎ……1/3個
・きゅうり……1/2本
・オクラ……2本
〔ジュレ・作りやすい分量〕
A・だし汁……1カップ
A・しょうゆ……大さじ1
・粉ゼラチン……1袋(5g)
・トマト……1個
・レモン汁……大さじ1
〈作り方〉
(1)鍋にAを入れ強火で煮立て、火を止めてゼラチンをふり入れよく混ぜる。粗熱をとり、レモン汁と5mm角に切ったトマトを加えて混ぜる。ステンレスのバットなどに注ぎ入れ、冷蔵室で1時間以上冷やし固める。
(2)鯛は塩をふる。フライパンにオリーブオイルを温め、両面を焼く。たまねぎは薄切り、きゅうりはせん切り、オクラはさっとゆでて食べやすい大きさに切る。
(3)皿に(2)を盛りつけ、(1)をフォークなどで粗くくずして添える。
●トマト Tomato
【栄養学】β-カロテンやリコピンには体内の酸化を抑える働きがあります。種の周りのゼリー質にはうま味成分のグルタミン酸が多く含まれます。
【薬膳学】体内の熱を冷まし、体液を補うと言われています。食欲不振や胃もたれなどの胃の不調を改善する働きが期待できます。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 早川宏子(レシピも)