菓子秋需戦略特集

◆菓子秋需戦略特集:コロナ禍の中、需要期へ 新しい生活様式の下、各社商戦に挑む

菓子 2020.10.26 12136号 06面

 菓子が、需要期を迎えた。コロナ禍による新しい生活様式の下、各社商戦に挑む。コロナ禍での菓子の需要がカテゴリーで明暗分かれた。食事代替となる、ビスケット、スナック菓子は、2月以降の巣ごもり需要の増加で、売上げは大幅に伸長した。次いで、ステイホームの長期化に伴うストレス軽減などのニーズもあり、チョコレートの売上げも増加した。いずれも、コロナ禍に伴うスーパーマーケットの好調とコンビニエンスストアの苦戦という小売業態の影響で、大袋が好調でポケット商品が不調となった。さらに、「ステイホーム」で人と人が接触する機会が減少したことで、ガム、錠菓、一部キャンデーなど、息エチケット、仕事中の気分展開などをベネフィットとするカテゴリーは厳しい状況になった。各社、コロナ禍での消費者意識の変化、オケージョンの変化などの調査にいち早く着手したが、こうした調査分析を秋冬期の商品開発に生かすことは間に合わず、既存リソースを活用した、コロナ禍での提案が中心となる。(青柳英明)

 明治は、コロナ禍で日本の消費者の意識は、自身の健康への不安を他国以上に感じており、消費者が企業に求めていることは、「安全・安心な商品・サービスを提供することである」との分析の下、こうしたことを踏まえ、(1)個人で愉しむ癒し・ストレス解放=こだわり・プチ贅沢・ご褒美・我慢しない・からだにイイコト(2)家族で楽しむおうち時間の活性化=ハロウィン・すごもり施策(3)誰かとつながる。同じ気持ちを共有する=オンライン交流。大切な人に伝える=感謝・リコメンド–の3軸で展開。

 ロッテは、「ブランド強化×フォーカストレンドアプローチ」をテーマにコロナ禍での新たな需要に対応したロングセラー商品や新商品を提案。「ロングセラーブランドの強化」では、ガーナ、洋酒ブランドを中心に新コミュニケーション・新品質による大幅なブランドリニューアルを実施。「トレンドへの対応」では、同社がとらえるトレンドである、セルフメンテナンス、可処分時間消費、ライフスタイルの多様化などのニーズに対応した新商品を発売。

 不二家は、「カントリーマアム」「ホームパイ」「ルック」「ミルキー」など、主力ブランドのさらなる強化と拡大に挑戦する。主力商品の継続的な改善に加え、健康志向、グルメ志向への対応を継続。

 森永製菓は、コロナ禍だからこそ企業ビジョンの「おいしくたのしくすこやかに」という原点に立ち返った商品開発、提案を各ブランドごとに行う。具体的には、企業ビジョンのキーワードを「笑顔」「健康」「SDGs」に置き換える。

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