食酢・食酢ドリンク特集

◆食酢・食酢ドリンク特集:簡便な健康効果追い風 飲料の好調続く

調味 2020.04.03 12034号 10面

食酢市場はMizkanが「酢の力」の発信を始めた2015年から好調に推移し、健康志向を追い風に19年3月~20年2月は食酢総合計で昨年度を少し上回る形で推移。和食系調味料が軒並み苦戦している中で、食酢は内臓脂肪の減少、高めの血圧の低下、食後の血糖値上昇を緩やかにするという健康効果があり、積極的に飲むことができる唯一の調味料であることから簡便な健康的生活ニーズを背景に食酢飲料が市場全体で前年比約5%増、調味酢は同1%増と推移しているもよう。春の新商品も各社食酢飲料に注力しており、消費者の選択肢の幅が広がっている。また、食酢調味料もメニュー提案や汎用(はんよう)性の広さから利用者を増やしている。(福島厚子)

●18年度生産量、微増も再び43万kl台に

全国食酢協会中央会によると、食酢は基礎的な調味料として家庭や外食店などで調理用に使われるほか、さまざまな加工食品の原材料として広範に使用され、用途別の使用割合は、一般家庭向けが25%、外食店などの業務用(寿司、惣菜など)が35%、加工原料用(ソース、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングなど)が40%と推定している。

農林水産省調べの18年度「食酢の生産実績の推移」(17年4月~18年3月)によると、食酢合計生産量は43万0100kl(前年比0.4%増)となった。

健康ブームの追い風で16年に43.5万klと前年比4.9%の増加、17年は同1.7%減で43万klを下まわったものの、18年は微増で再び43万kl台の大台となった。

種類別の生産では、穀類、果実などを原料とする「醸造酢」が生産量の大半(99%以上)を占め、氷酢酸を希釈、調味して製造する「合成酢」の生産は極めて少なく(1%未満)なっている。

醸造酢の中では、家庭用・業務用に仕向けられる米酢などの「穀物酢」が16万3600kl(前年比0.2%減)、加工原料用に仕向けられることの多い「その他の醸造酢」は23万7500kl(同0.1%増)で、中食産業の市場拡大や食酢入り調味料などの利用が増えたことが背景にあるとみられる。

また、「果実酢」については、食生活が健康をキーワードに多様化・高度化する中で中長期的には健康志向を背景に増加させたい商品群で、2万8100kl(同7.7%増)と大幅増となった。

食酢の輸出入実績では、輸出では数量・金額ともに過去最高となった。1L当たりの平均単価は前年より高くなっている。

輸出国のトップは30年間、数量・金額ともに米国である。輸入国は、数量ベースではイタリア、中国、フランス、米国、スペインの順で、米国とフランスが逆転した。

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