生麺・冷凍麺特集
生麺・冷凍麺特集:冷凍麺=喫食機会増で新規獲得 ロイヤルユーザーに育成
●おいしさ・利便性訴求でロイヤルユーザーに育成
冷凍麺市場は家庭用と業務用で明暗が分かれている。ともに新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けているが、家庭用は巣ごもりやストック需要で増加傾向となっている半面、業務用は外出自粛やテレワークや学校の休校などに伴い、減少している。コロナウイルスの収束が見えない状況下、この傾向が続くと予想されている。
家庭用市場は、大きく伸長している。コロナ禍影響を受け、食の内食化が進み、自宅で料理をする人が増加し、素材としての冷凍麺の需要が伸長しているためだ。一方で在宅勤務する人が増えたことにより、昼食時などに手早く食事を済ませたい人に対しては、商品一つで食事が完了する一食完結型の麺類の需要も伸長している。
需要の増加の要因は、既存ユーザーが引き続き冷凍麺を購入していることに加え、新規ユーザーを獲得しているためだ。若年層やシニア層など増えているようだ。今後は、このコロナ禍で増えた新規ユーザーをロイヤルユーザーとして育成していきたい。そのために、冷凍麺ならではのおいしさや利便性を訴求していく。
カテゴリー中でも好調なのは、ラーメン、うどん、パスタがけん引役となっている。特にパスタは、トレー付きの温めるだけで、そのまま食べられる商品が人気となっている。
秋冬の商品ラインアップとしては、外食の代替需要となる高品質のパスタ商品や、汁なしタイプのラーメン、うどんも投入されている。さらに秋冬の鍋物需要に対応した具付きの一食完結型の鍋もの冷凍麺や、ファミリー向けの玉うどんも提案していき、需要の裾野拡大を目指す。
業務用市場は、家庭用とは反対に苦戦している。緊急事態宣言が解除された後、ゆるやかに回復が進んでいるものの、外での食事機会の減少基調が続き、業務用市場にとってはマイナスになると考えられている。単月の売上げが、前年比で7割程度ぐらいで推移すると予想されている。ただし、一部の外食などでは、従来少なかった昼食の利用が伸びているなど、変化が起こっている。こうした変化に応えることが冷凍麺の新たな需要拡大につながると考えている。
今後も新型コロナウイルスの感染拡大で、これからも社会が大きく変化し、それに伴い、ニーズも大きく変化していくと見込まれている。生活者や各チャネルの新たなニーズに対して、柔軟性とスピード感を持って取り組んでいくことが求められてくる。また、今後考えられる影響として、感染拡大の第2波、第3波といった状況を迎えたときに急激な需要の高まりに対し安定供給ができるよう、在庫確保や生産体制の構築に努めていく。