海外ブランドビール特集
◆海外ブランドビール特集:ラグビーW杯に高まる期待 大型ブランド、一層拡販
海外ブランドビール市場は19年、「ハイネケン」「コロナ」「バドワイザー」といった大型ブランドが伸長を続けそうだ。最大の目玉となるアジア初のラグビーワールドカップ(W杯)開催が秋に控える。ヨーロッパやオセアニアからの訪日ラグビーファンに向け、ワールドワイドパートナーを務める「ハイネケン」が徹底拡販に動く。一方、中小では小売店頭での売場を失うブランドも多いなど厳しい状況が続く。スポーツバーをはじめとする飲食店の活況が見込まれる中、「ハイネケン」以外のブランドへもラグビーW杯の波及効果に期待が高まる。(丸山正和)
海外ブランドビール(国内ライセンス生産含む)は、NBビールにはない洗練やストーリー性を求めるファンに支えられ、長年にわたり安定市場を形成してきた。
状況が変わったのが、クラフトビールブーム以降。一時はクラフトによるビール市場活性化の波に乗り、主要チャネルである飲食店に加え、量販など小売店での棚を拡大してきた。
だが、ここ数年は国産クラフトの銘柄増加に押される形で、苦戦を強いられる海外ブランドが増えてきた。やや復調の兆しも見えるが、こうした厳しい状況は19年も大きく変わることはなさそうだ。
クラフトメーカーの強みはブルワー(醸造家)が身近にいること。クラフトファンは、ビール祭やブルワリー(醸造所)が開くイベントなどで造り手とコミュニケーションを楽しむ。造り手との濃密な関係を求める層に対しては、海外ブランドビールも商品が生まれた背景や味わいなど、新たなファンづくりに向けた丁寧かつ継続的な情報発信が必須となる。ブランド力だけに頼った既存のビール好きやマニアだけに向けた販促だけでは、棚落ちは免れない。
ただ、「ベルギービールウイークエンド」や「オクトーバーフェスト」をはじめとするビール祭は引き続き好評。全国の開催地を回り期間中の販売で売上げの基盤をつくっているブランドも多い。メキシコの「シンコ・デ・マヨ」など毎年恒例となっている各国の伝統的な祭りもある。
こうした中で順調に規模拡大を続けるのが、「ハイネケン」「コロナ」「バドワイザー」といった年間販売量が100万ケース(350ml×24本換算)を超える大型ブランド。
19年は年初に「バドワイザー」がキリンビールからオーナーであるアンハイザー・ブッシュ・インベブ・ジャパンに移管。17年から販売する「コロナ」に続き大型移管となった。「バドワイザー」は従来の国内ライセンス生産をアメリカからの輸入に切り替え、今後はマーケティングもグローバル戦略に即して展開していく。
移管初年度となる今年目指すのは、ブランドの若返り。そのための目玉となるのが8月に開催する「Budx(バドエックス)」。音楽やファッションを総合した文化イベントで、若者層に対して新たなブランド性を訴求していく重要な接点とする考えだ。春に開催したパリを起点に世界を回る企画の一環で、グローバル戦略を積極的に取り入れる姿勢の表れでもある。
ヨーロッパなどでは若者に支持されるブランドとして浸透しているという「バドワイザー」。日本でも狙い通りとなるかブランドオーナーの手腕が試されるところだ。
また、19年の輸入ブランドビール市場で最大のイベントが、秋に開催が迫るラグビーW杯。ワールドワイドパートナーを務める大会の公式ビールが「ハイネケン」。試合会場やファンゾーンと呼ばれる無料エリアでは、ビールは「ハイネケン」の独占販売となる。
キリンビールは6月7日の会見で、期間中3ヵ月の販売計画を前年比7割増に据えると発表。アジア初の開催となる同大会を起爆剤として徹底拡販する方針を明らかにした。
日本大会はヨーロッパを中心に訪日外国人が40万人といわれる。ラグビーW杯はビールにとって、消費量がサッカーW杯を上回るビッグイベント。東京・横浜・大分といったメーンをはじめ試合会場となる12都市では、スタジアムやファンゾーンだけでなく、飲食店も活況を呈すると考えられる。
「ハイネケン」以外にも、NBメーカーはもちろん輸入ブランドのインポーター各社の拡販に向けた期待も高い。秋に例年にない大きな販売のヤマ場をもつ今年。どこまで市場活性化につながるか注目される。
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