昆布茶特集
昆布茶特集:飲用動向=減少続くも各社活性策
昆布茶本来の特性を発揮する飲用消費だが、飲用機会の減少やコーヒーなどプレミックス(粉末)タイプ飲料の定着などで苦戦が続く。減少傾向は90年代から始まり、今世紀に入り顕著化。18年も消費量構成率は45%(本紙推定)と半数を切るが、市場全体の活性化には必須の分野であり、早期での再興が望まれる。
参入各社ではおいしさや健康感を生かした活性化策に取り組む。注目株は、玉露園食品工業が推進する熱中症対策を含めた夏場でのアイス昆布茶(梅昆布茶)の提案。天然ミネラルを含む昆布茶は熱中症に有用で、中でも減塩タイプはアイス飲用との相性が良い。20年の東京五輪へスポーツ志向が高まる中、スポーツドリンクとしての需要喚起も期待される。
日東食品工業「ひろしま瀬戸内れもん昆布茶」など地域名産と組み合わせたフレーバー商品にも注目したい。土産需要をもちろん、新ジャンルの昆布茶としてプラスオンの可能性は十分ある。
昆布由来の健康価値も重要な伸びしろだ。すでにうまみ成分による口中の唾液分泌促進効果でのドライマウス対策が知られるが、含有成分のグルタミン酸やフコイダン、カリウムなどが注目されれば、市場規模は今後飛躍的に拡大するだろう。