昆布茶特集

昆布茶特集:輸出用=「UMAMI」の活用を

飲料 2019.10.07 11953号 06面

国際的な「UMAMI(うまみ)」への認知度向上や注目を背景に十分な伸びしろを持つのが、輸出向け需要だ。昆布が豊富に含有するうまみは、第5の味覚としてあらゆる食材に含まれることが科学的に解明され、これを受けて欧米を中心に「UMAMI」の活用が進んでいる。

一方で課題となるハードルはまだ高い。市場ではかねて欧米・アジアなどへ進出を図ってきたが、邦人地区を除き定着には至っていない。海外で“KOMBUCHA”は紅茶キノコを意味し、認知定着が難しいことや、一部有力清涼飲料ブランドに「KOMBUCHA」を冠するものが現地市場を席巻するなど、本来の昆布茶からかけ離れたイメージが定着している。

これらは短期間で払拭(ふっしょく)できるものではないだけに、まずはインバウンドからの海外での認知度向上を図る必要があるだろう。その際に重要なことは、昆布茶=UMAMIの特性を分かりやすく訴求し、おいしさや品質はもちろん、日本を代表する伝統食品である点を伝えることだろう。

海外展開は今後、市場拡大に大きく機能することは間違いない。日本の伝統嗜好品の特性を堅持しつつ、飲用・料理用・加工用に続く“第4の需要”として顕在化できるか、東京五輪を前に重要な局面を迎えている。

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