昆布茶特集
昆布茶特集:飲用=減少傾向続くも上期見直し
飲用需要は昆布茶本来の消費用途と位置付けられるが、近年は減少傾向が続いている。コーヒーやミルクティーなどプレミックスタイプ飲料の定着に加え、かつての“振る舞い昆布茶”に代表される嗜好飲料としての喫食回数の減少などが主要因で、今世紀から特に顕著化している。
19年も消費量構成率は45%(容量ベース・本紙推定)と依然半数を切るが、昆布茶全体の市場活性化には再興は不可欠となる。20年は家庭用が新型コロナの影響で魅力が見直され、秋冬での定着に期待したい。
この中で、参入各社ではアイス昆布茶による通年需要の喚起や健康訴求での裾野拡大に取り組んでいる。
熱中症対策を含めた夏場でのアイス昆布茶(梅昆布茶)提案は、近年着実に認知度を拡大し、特に減塩タイプで新需要を獲得した。最大手・玉露園食品を軸にミネラル補給などの健康的価値が徐々に注目され、スポーツドリンクとしての需要喚起が期待される。来年開催予定の東京2020を前にスポーツ志向が高まることも予想され、後押ししそうだ。
昆布由来の健康価値にも注目したい。うまみ成分による口中のドライマウス対策や、脳活性・味覚正常化によるダイエット効果などはその筆頭株で、一定の潜在需要を発掘できると思われる。また、好調に動く日東食品工業の食物繊維入りシリーズは、新たな付加価値提案の可能性を示しているといえるだろう。