忘れられぬ味・令和編(3)マリンフード・吉村直樹代表取締役社長 「人情・情緒・季節感」
舌や味にはまったく自信がない。好みの食といっても、小学生時代は小津安二郎ではないが、ぬか味噌の漬物に茶漬けばかり食べていた記憶がある。中学・高校生になっても大して変わらず、お好み焼き、カレーライス、ラーメン、かつ丼などが加わった程度だ。何のことはない。素朴な日本庶民の国民食ばかりだ。
大学進学で札幌に渡り、それらにジンギスカン鍋が加わった。そして1年生の5月にクラブの先輩に連れられておでん屋に行った。
在札は8年半におよん