飲食トレンド:居酒屋がホームパーティー引き受けます

1996.08.05 106号 1面

ホームパーティーの人気高揚に比例してフードケータリング需要が増しているが、昨今それを狙った飲食店の新サービスが続々と現れている。なかでも、飲食店の料理人とサービスマンが出張し現地で調理、接客サービスを展開するパッケージが大人気だ。従来のケータリングは一般的に調理済みのメニューを届けるだけ。とすれば、それに出張調理、接客サービスを加えた新パッケージはさながら“ネオケータリング”といったところか。家庭の食卓はもはや店内の一部だ。オーダーアップの起爆剤“ネオケータリング”の最前線を取材した。

東京都大田区の住宅立地で展開する居酒屋「八百八町」は、地域密着のコンセプトを特化してホームパーティーの出張ケータリングに乗り出した。家庭の食卓に料理人とウエーターが出張し現地で調理、接客サービスを行うものだ。

「二一世紀の飲食シーンは家庭回帰がキーワード。都会志向よりも地域志向」(石井誠二代表)をテーマに掲げる同店。新時代の飲食ニーズを“郊外の居食屋”とにらみ、一家団らんの場、近所の寄り合いの場を演出しているが、そのニーズの未来形がホームパーティーであるという。

出張ケータリングは二〇〇〇円(八品)・四人から。料理は指定からお任せまで自由自在に対応する。まず料理人はケータリング前に現場の規模(台所、食器、スペース)をチェック、料理はその状況に応じて仕込んでおき現地で加熱して仕上げる。大体三割ほど仕込み、残りを現地で施すケースが多い。

「お客のそばで食べるスピードに合わせて調理できる。できたてをおいしく食べてもらえるので料理人として嬉しい」と調理長。

また、作業中にお客から料理のコツを尋ねられることも多いとか。「お客とのコミュニケーションはメニューのニーズをつかむチャンス」というメリットもあるそうだ。

現地滞在時間は、調理、サービス、後片づけを合わせて約三時間。残り物は食器にまとめて冷蔵庫に。すべてお任せなのでお客の手間は皆無。まさに“ネオケータリング”である。

現在、オーダーは十数人規模のホームパーティーが週平均二回で、リピーター、口コミ客によるお任せオーダーがほとんど。

「正直いってこれほど人気になるとは思わなかった」とは店長の弁。イートインの繁盛と合わせて多忙の日々である。“ネオケータリング”の勢いは増すばかりだ。

「八百八町」(蓮沼店)、大田区東矢口一‐一七‐一二、03・3738・8088

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