飲食トレンド:小懐石風ラーメン ニュージャンル切り開く「柳麺 伽藍堂」
今月6日、東京・町田市に、小料理屋を模したニュージャンルのラーメン専門店がオープンした。店名は「柳麺 伽藍堂」。ローカル店だが、ラーメン通の間で知られる神奈川県相模原市の「キリン食堂」が出店した新業態だ。“小懐石ラーメン”ともいえるユニークな提供方法が売り物で、セット売りのニュージャンルを切り開きそうだ。
ラーメンメニューは、塩味の「柳麺」(九〇〇円)と醤油味の「源醤そば」(一〇〇〇円)の二アイテム。スープと麺だけの麺蜂と、季節料理の小皿三品がセットで提供される。主食とおかずを分離した格好だ。これに、季節の土鍋飯と水菓子をセットした「御膳」(一二〇〇~一五〇〇円)という、小懐石さながらの看板メニューが加わる。
店が位置するのは、小田急線町田駅近くの線路沿いに建つ小さなテナントビルの一階。周辺には地元でも有名な飲食店が点在する繁華街の外れだ。
業態コンセプトは“日本料理ラーメン”。カウンターのみ、一〇席足らずの小さな店ではあるが、この店の店頭のつくりは、とてもラーメン店とは思えない。犬矢来を配置した土壁風のシンプルな壁面に、小さめののれんが掛かった千本格子の引き戸、黒石の玉砂利を敷き詰めて大谷石の踏み石を配した犬走りなど、まるで下町の小粋な小料理屋かと思わせる店舗デザインに、通りすがりの人々も思わず中をのぞき込み、店頭のメニューを眺めやる。
通常は「ラーメン」と読ませる「柳麺」という表記を、「柳のように、しなやかなコシを持った麺」という意味で、あえて「りゅうめん」と読ませる店名ショルダーは、商品コンセプトを象徴させたネーミングである。
店内は磨き上げた自然木の曲線をそのまま生かしたカウンターのみ。食器や、コーナーに飾られた生花も、落ち着いた和食店のイメージだ。鉄製の重いメニューブックには、醤油のルーツといわれる「源醤」(げんしょう)など、この二つのラーメン商品のためだけに使用される数々の「こだわり食材」が記載されている。
現在、テレビCMやカップ麺にまで登場し、全国にその名を知られるようになった多くの老舗有名店のあとを追って、さまざなラーメン店が次々にデビューを果たしているが、この店は、一号店の「キリン食堂」同様、ただ「おいしいラーメンを提供する」というこだわりだけではなく、客に食べていただく「シチュエーション」にも気配りするという独自のコンセプトを打ち出している。
本紙既報の所沢の日本庭園付きラーメン店「櫻座」、麺ダイニング「ヌードルス」、ラーメンカフェ「まっち棒」、ラーメンバー「B*EAT」なども含めて、ラーメン専門店は、麺とスープと具材へのこだわりだけではない、新たなスタイルを提案しはじめている。














