この一品が客を呼ぶラーメン編・京都:「玄屋」酒粕拉麺
京都の伏見といえば、おなじみの酒どころ。ここで「酒粕拉麺」なるユニークメニューを出しているのが、伏見区役所前の「玄屋」だ。日本酒が苦手な人でも食べられるマイルドな味わいと、酒かすならではの豊かな香りとコクで、リピーターが続出している。遠方からの客も多く、特に休日は、かなりのにぎわいを見せるという。
「昔はこの辺りも酒蔵が並んでいたんですよ。そこから、酒かすをラーメンに取り入れるというアイデアが生まれて」という店主。今から一七年前、この店がオープンしたころの話だ。こうして生まれた「酒粕拉麺」(さけかすらーめん)、最初は冬期の限定メニューだったが、好評につき、すぐに通年メニューに。今では売上げナンバーワンを誇る看板メニューだ。
酒粕拉麺のスープは、一見、味噌のようだが、実は醤油を使っている。酒かすと醤油だれに、鶏がらと豚骨のスープを合わせただしは、まろやかな味と口当たり。さっぱりとコッテリの中間の絶妙なバランスのだしに、酒かすの香りが漂う。
ただし、酒かすはあくまでもアクセントとして使われているため、日本酒が苦手な人でも食べられる。アルコール分もとばしてあり、ドライバーや子どもでも大丈夫。
個性派メニューながら購入層が広いのは、「だれにでも食べやすい味」を追求した結果といえる。
トッピングには、ネギやモヤシなどの定番に加えて、うす揚げや大根も使っている。これはかす汁を意識したものだとか。さらに「このラーメンにはコショウよりも七味が合うので、お客さまにもお勧めしています」と店主。
酒蔵をイメージした、モダンで粋な店内も人気の秘密。白い壁には店主自作のレトロなイラストや、毛筆のメニューが張られている。ラーメン屋らしからぬ店構えで、女性の来店も多く、特に土・日曜は、カップルが多く訪れるという。
◆玄屋(京都市伏見区東組町六九八、パークテラス桃山一階、電話075・602・1492)営業時間=午前11時30分~午後7時30分、木曜日定休/席数=二〇席/一日食数=約一〇〇食
◆食材の決め手 「高菜漬け」 前田食品工業(有)(佐賀県西松浦郡有田町)
味の決め手である酒かすは、地元・伏見の月桂冠のものを使っている。「酒かすにも、吟醸などいろいろ種類がありますが、ラーメンには普通の酒かすで十分」と店主。ポイントは分量で、かなり試行錯誤を繰り返したとか。
「入れすぎるとバランスが悪くなってしまう。だいたいラーメン一杯につき三〇gほど使っています」
乾燥すると風味がなくなるので、保存にも気を遣う。特に夏場は少量ずつ仕入れるよう心掛けているという。














