オリーブオイル値上げ 主産地減産で相場高

2006.04.03 312号 7面

国内のオリーブオイル販売各社は昨年末から価格改定を進めていたが、実勢化してきた。スペインのオリーブオイル生産は霜害と深刻な干ばつで04/05年度産(04年11月~05年10月)は29・9%減と大幅に減産、新穀も減産予想とあって2年続きの減産は確実で、スペインの国内相場も05年12月段階で前年同期に比べ60~70%高となっている。最大の生産国であるスペインの減産は大きなインパクトを市場に与えている。

財務省関税局が発表した05年12月の輸入通関によると、スペインからのオリーブオイル年間輸入量は「バージンオリーブオイル」は7630tで前年比6・1%増と増加したが、12月の輸入単価は1t当たり67万9224円と、前年同月比11万8834円の大幅な高値で、前月(05年11月)比も5万8578円上昇している。「その他オリーブオイル」も年間5369tで3・1%増だが、輸入単価は55万7065円で前年同月比12万4087円高、前月比3万1037円高となっており、輸入単価上昇が国内販売会社の販売コストを圧迫している。

05/06年度の生産量見通しでスペインは減産、世界トータルも258万4000tで8・8%減産。年初からスペイン国内相場は上昇基調にあり、輸入価格もさらに上昇する見込みで、国内販売会社は昨年末から価格改定を要請、2月から一部実勢化した。

大手では、日清オイリオグループ(株)は2月1日から家庭用で10%以上値上げを要請、(株)J‐オイルミルズも2月1日から家庭用、業務用とも仕切り価格を10%上げた。日本製粉(株)は4月1日から家庭用で15~20%値上げする。専門商社筋も、スペイン関係では讃陽食品工業(株)が「カルボネール」を昨年、業務用製品を25%値上げしたが、3月中旬から全品平均20%値上げに踏み切る。「フィガロ」(白井松新薬(株)食品部)も順次値上げしている。

イタリアも新穀は減産見通しで、「ベルトーリ」(モンテ物産(株))は昨年7月の10%値上げに続き、2月から生販価格を20%上げた。「ソルレオーネ」(日欧商事(株))は3月から家庭用で15%値上げを予定、工場出荷額で3リットル、5リットルも上がっており、「業務用は今から得意先にアナウンスして6月実現を目指す」段取りだ。

各社とも輸入価格上昇は自社努力でカバーできる範囲を超え、価格改定には強気の姿勢だ。

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