アポなし!新業態チェック(225)「アンナミラーズ」南青山店

2026.05.04 567号 11面

●「アンナミラーズ」発祥の地で再出発 最後の店舗の撤退から3年半1号店開業の南青山に新店舗

肉まん・あんまんで知られる井村屋グループが、2022年の9月以降は実店舗がなかったレストラン「アンナミラーズ」を、東京・南青山に新規出店した。同ブランドは1973年にスタートしたアメリカ料理とホームメイドパイのレストラン。最盛期にはのべ25店舗ほどを出店したが、2012年以降は東京・港区の「高輪店」のみの営業となり、それも地域の再開発計画によって閉店した。

今回の店舗は、同ブランドの1号店があった場所から地下鉄で1駅分ほど離れた場所。路面店の1階と2階で、1階はパイ商品の販売カウンター、2階が30席ほどのイートイン客席となっている。

従来よりも小型の店舗であるためか、メニューのアイテムは絞り込まれた品揃え。メインは、ハンバーガー2品、サンドイッチ3品、パンケーキ2品、終日注文できる朝食プレートが2品で、ほかにサラダやサイドオーダーなど。価格帯は、「ハンバーガー」(1650円)、「クラブハウスサンド」(1980円)、「バターミルクパンケーキ」(1430円)、「ファーマーズブレックファースト」(1760円)と、やや高めだ。ドリンク類は770円で、ほとんどの品がおかわり可能。同店の看板商品であるホームメイドパイは、「バナナ」「チョコレート」「チェリー」(各880円)「フルーツクリーム」(935円)など7種類を用意した。

開業から1ヵ月あまり、平日でも昔を懐かしむ人々が訪れて入店待ちになるほど、力強いブランドの再出発だ。

(価格は税込み)

★けんじの評価:50年超の歴史を持つ人気のブランド

井村屋グループは、1896年に三重県で井村屋として創業。創業時の商品は「ようかん」だったが、二代目の経営者である井村二郎氏が戦後に法人化して業容を拡大し、井村屋製菓として、小豆あんを使った菓子類や、肉まん、あんまんなどをヒットさせた。「アンナミラーズ」の1号店は、その井村二郎氏が渡米して発見し、日本に上陸させたのだという。70年代~80年代には、当時大流行していた米国カルチャーを象徴する店として、可愛らしい制服も含めて多くの若者の人気を集めていた。

今回の出店が発表されたのは、昨年の6月だ。それと同時に、井村屋グループの店舗事業を統括する事業会社として井村屋フードサービスが新たに設立され、同店のほか、「ラ・メゾン・ジュヴォー」などの運営が同社に継承された。この組織再編にはどのような意図があるのだろう。

再出発に当たり、1号店開業の南青山を選んだというシンボリックな意味合いは理解できるが、現在の外食シーンでこうしたカフェ形式のブランドを成立させる前提として、大手チェーン各社が展開しているカフェ業態ぐらいの規模感と内装グレードが欲しかったように思う。もし多店舗展開ではないのなら、むしろさらに上のグレード感が必要だったのではないか。いまだに根強いファンを持つブランドと商品があるのだから、ぜひ本気の事業展開を期待したい。

個人的には、現状催事のみで販売している「キーライム」や「ダークチェリー」などのパイも、ぜひメニューに加えて欲しい。

◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

●店舗情報

店名=「アンナミラーズ」南青山店

開業=2026年2月13日/所在地=東京都港区南青山2-26-34セイザンII

●編集協力:株式会社イートワークス

http://www.eatworks.com/

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