冬季東北流通特集
●価格競争も過熱、デフレ再燃を懸念
クリスマス、年末年始といった年間最大の商戦を目前に、東北小売業界も総力戦で臨もうとしている。ハレの場に品揃えの豊富さと安さを訴えるのが例年のこと。しかし今年は10月1日からの消費増税に伴う負担軽減といったキャッシュレスポイント還元事業が始まり、様相が異なっている。競合店に比べ当社はもっと安いということだけではなく、カード会員へはキャッシュレスポイント還元、チャージ機限定プレミアムチャージ、CVSでは2%即引き–などあれこれ。現金買い物客へもスタンプカードのキャンペーンなど、さまざまな特典が連日チラシをにぎわしている。官主導で始まった事業だが、東北は圧倒的に現金派が多く、その訴求に手を抜くわけにはいかない。
「公正・公平な観点から強い懸念がある。官主導の過度な値引き競争でデフレが再燃する」と還元なしの小売業は全国各地で不満の声を上げたものの、尻すぼみに。本当に個人消費の下支えや中小小売業支援となるのか、当然メーカー、卸へのしわ寄せも生じてこよう。国は2798億円の予算を計上していたが、増え続けるポイント還元で膨らんでいき追加計上する。東北有力SMの上期業績と増税後の対応などについてまとめた。(東北支局長=三沢篤)
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◆冬季東北流通特集:小売業界、キャッシュレス・現金両面対応の特典合戦
特集 小売 2019.12.09●価格競争も過熱、デフレ再燃を懸念 クリスマス、年末年始といった年間最大の商戦を目前に、東北小売業界も総力戦で臨もうとしている。ハレの場に品揃えの豊富さと安さを訴えるのが例年のこと。しかし今年は10月1日からの消費増税に伴う負担軽減といったキャッシ…続きを読む
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冬季東北流通特集:10月SM販売 国内消費は低迷続く
特集 小売 2019.12.0910月は駆け込み需要の反動があった非食品、一般食品でマイナス。相場が安値で推移した青果・サンマの記録的不漁の影響を受けた水産も低迷した。 キャッシュレスポイント還元制度などの負担軽減策に加え、台風接近に伴う買いだめ需要が加わり、消費税率引き上げによ…続きを読む
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冬季東北流通特集:ヨークベニマル・大高善興会長 おいしさ・良いサービスを
特集 小売 2019.12.09ヨークベニマルの9月売上げは既存店で前年比1.9%減、全店0.8%減。10月に入って1.6%減、0.2%増。増税、キャッシュレスポイント還元の影響はさほど見られない。食品の売上げが80%を占めるSMとして、とりわけ生鮮、惣菜・デリカで競合との戦いで一…続きを読む
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冬季東北流通特集:みやぎ生協・大越健治代表理事 店舗不振で上期1.6%減
特集 小売 2019.12.09◇大越健治代表理事専務理事 9月20日までの2020年度上期業績は、供給高がみやぎ生協(みやぎ)、コープふくしま(ふくしま)、福島県南生協合わせて622億8700万円、前年比1.6%減だった。経費も減少しているが、供給のマイナス以上に減らすことがで…続きを読む
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冬季東北流通特集:イオンリテール・辻雅信支社長 グループ統合調整大詰め
特集 小売 2019.12.09◇イオンリテール東北カンパニー・辻雅信支社長 イオングループの再編に向けた動きが進み、東北もGMS、SMの統合に向け大詰めを迎えている。しかし現段階は「デリケートな部分が残されていて、最終結論に至っていない」とイオンリテール東北カンパニーの辻雅信支…続きを読む
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冬季東北流通特集:ベルジョイス・澤田司社長 売上げ800億円のパワー発揮
特集 小売 2019.12.09岩手県内のベルプラスとジョイスが2016年3月合併し、県内最大規模の小売業ベルジョイスが誕生した。400億円規模同士が一本化によって大きな力を発揮できるか、関心を集めた。DSのビッグハウスとSMのジョイスといった異なる業態の統合は難しく、部門ごとの調…続きを読む
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冬季東北流通特集:東北シジシー・上田庄三社長 全国有数地区を形成
特集 小売 2019.12.09◇東北加盟11社、売上げ4354億円 東北シジシー加盟企業は東北6県に11社、309店舗展開し、売上げは4354億円、業績はグループ内での競争も激しいが健闘している。全国シジシーの中で規模の大きな加盟社もあって有力なエリアを形成している。東北には1…続きを読む
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冬季東北流通特集:いとく・塚本徹社長 変わらず「暮らし提案」に注力
特集 小売 2019.12.09キャッシュレス・ポイント還元対象事業者にならず、いとくは他の非対象事業者のように自腹でセール合戦の土俵に立った。「公正な競争を妨げる問題のある政策」と塚本徹社長は話す。秋田県内は圧倒的に現金派が多く、この事業で中小事業者がどれだけ支援を受けるか限りな…続きを読む
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冬季東北流通特集:タカヤナギ・高柳智史社長 売場・商品・人の活性化図る
特集 小売 2019.12.09秋田県湯沢インター店から始まったタカヤナギの活性化は、15店舗中8店舗が終了した。目指すものは売場、商品はもちろん、人の活性化でもある。8店舗すべてが初期目標を達成したものではなく、高柳智史社長は、「成果の上がった店、まあまあのレベルにとどまったとこ…続きを読む