長野・山梨地区新春特集

総合 2020.01.13
長野・山梨地区新春特集

 令和初の正月を迎え、2020年の幕が開けた長野・山梨県の食品業界。加速する人口減少や高齢化、人手不足、コスト圧迫、流通再編など、難題が山積する新たな時代に踏み出した。
 19年は、改元から消費税の引き上げ、両県などを襲った台風19号による大きな農業、食品産業への被害など、波乱の1年だった。本紙が甲信エリアの食品に関連する製造業、卸売業、小売業、外食業などを対象に行った取材・アンケート調査では、出口が見えないデフレ環境、厳しさが増すコスト事情、募る危機感に追い付かない防災・減災対策など、多くの課題に直面する各社の奮闘ぶりがうかがえる。
 迎えた20年は、7月に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開幕。山梨県山中湖村では自転車競技が行われることから、観光入込客数が伸び続けている富士山周辺エリアでは、一層の需要活性が期待される。
 台風19号による水害の爪痕がいまだに大きく残る長野県の千曲川流域では、被災した農家や食品工場、スーパー、飲食店舗が復興を目指す。「1000年に一度」規模の自然災害が毎年のように襲い掛かる昨今、災害・減災対策の遅れも浮き彫りになっている。
 さまざまな困難に足元が揺らぐ中で、事業・市場環境の大きな転換点を迎えたエリア業界。五里霧中を一歩ずつ確かめながら、新時代への挑戦に踏み出した。(長野支局長・西澤貴寛)