長野・山梨地区新春特集
令和初の正月を迎え、2020年の幕が開けた長野・山梨県の食品業界。加速する人口減少や高齢化、人手不足、コスト圧迫、流通再編など、難題が山積する新たな時代に踏み出した。
19年は、改元から消費税の引き上げ、両県などを襲った台風19号による大きな農業、食品産業への被害など、波乱の1年だった。本紙が甲信エリアの食品に関連する製造業、卸売業、小売業、外食業などを対象に行った取材・アンケート調査では、出口が見えないデフレ環境、厳しさが増すコスト事情、募る危機感に追い付かない防災・減災対策など、多くの課題に直面する各社の奮闘ぶりがうかがえる。
迎えた20年は、7月に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開幕。山梨県山中湖村では自転車競技が行われることから、観光入込客数が伸び続けている富士山周辺エリアでは、一層の需要活性が期待される。
台風19号による水害の爪痕がいまだに大きく残る長野県の千曲川流域では、被災した農家や食品工場、スーパー、飲食店舗が復興を目指す。「1000年に一度」規模の自然災害が毎年のように襲い掛かる昨今、災害・減災対策の遅れも浮き彫りになっている。
さまざまな困難に足元が揺らぐ中で、事業・市場環境の大きな転換点を迎えたエリア業界。五里霧中を一歩ずつ確かめながら、新時代への挑戦に踏み出した。(長野支局長・西澤貴寛)
-
◆長野・山梨地区新春特集:難題抱え新時代へ 五里霧中を一歩ずつ
総合 2020.01.13令和初の正月を迎え、2020年の幕が開けた長野・山梨県の食品業界。加速する人口減少や高齢化、人手不足、コスト圧迫、流通再編など、難題が山積する新たな時代に踏み出した。 19年は、改元から消費税の引き上げ、両県などを襲った台風19号による大きな農業、…続きを読む
-
長野・山梨地区新春特集:食品業界アンケート デフレ感の強まり懸念
総合 2020.01.13●相次ぐ災害、防災・減災対策に遅れ 調査は、長野・山梨両県内の食品関連約80社を対象に、11月から12月にかけて書面アンケート、聞き取り取材などで実施。43社(製造28社、卸9社、小売3社、外食3社)から回答を得た。 〈アンケート調査〉 〇消費…続きを読む
-
長野・山梨地区新春特集:小売流通=県外進出で新たな成長へ ツルヤ、群馬へ進出
小売 2020.01.13長野、山梨両県の食品小売市場は、全国の地方商圏と同様に人口減少や少子高齢化で消費基盤の弱体化が進む。食品スーパー(SM)やコンビニエンスストア(CVS)、ディスカウントストア(DS)、ドラッグストア(DgS)など、業態を超えてオーバーストアが進む一方…続きを読む
-
長野・山梨地区新春特集:地域卸=「地域力」武器に需要創出
卸・商社 2020.01.13川上の仕入れ原価上昇、川下の流通再編と、激流にさらされる川中の地域卸。ナショナル卸や侵攻リージョナル卸との競合、「中抜き」流通の拡大などで、いつ水底に引き込まれてもおかしくない難局が続く。 甲信エリアはローカルSM勢が強さを保ち、品揃えや消費動向に…続きを読む
-
長野・山梨地区新春特集:農産加工=チャンス広がる国産・地産系
農産加工 2020.01.13◇台風被害から復活も 多彩な野菜、果実の宝庫である甲信エリアにとって、農産加工は地域をリードする基幹産業。山梨県、長野県で全国生産量の1、2位を占める日本ワインをはじめ、長野県はなめ茸、こうや豆腐などの製造量で国内トップに立つ。 19年は、台風1…続きを読む
-
長野・山梨地区新春特集:味噌・醤油=独自性と本質で勝負
味噌・醤油 2020.01.13味噌・醤油などの発酵食品も、甲信エリアを代表する食。「信州味噌」の地元・長野県には大手から中小、「蔵」規模の醸造場まで約120の味噌メーカーがひしめき、全国出荷量に占める県のシェアは約50%に及ぶ。 ほかのカテゴリー同様、味噌市場の構図も即席味噌汁…続きを読む
-
長野・山梨地区新春特集:信州そば=和食拡大追い風に世界へ
小麦加工 2020.01.13そばの一大ブランド「信州そば」。観光需要も大きい外食はもちろん、麺製品も長野県をけん引する。明治期に長野市で誕生した乾麺の乾そばは、長野県の製造量が全国トップ。メーカーら業界を挙げた品質向上の取組みで、訴求力を高めながらシェアを築いてきた。 ただ、…続きを読む