昆布加工品特集

水産加工 2020.08.12
昆布加工品特集

 昆布佃煮や塩ふき昆布、とろろ昆布、だし昆布など、高齢者を中心としたユーザー層を獲得してきた昆布加工品市場だが、社会環境の変化に伴い、次の世代に受け入れられるトレンド対応、使い方提案が求められている。加工品メーカーでは料理の調味料としての用途訴求に力を注いできた。コロナ禍による内食需要の高まりの中で、量販店・SMなどでは特に塩ふきの伸びが目立ち、佃煮やとろろの動きも堅調だった。ご飯や麺料理の“添え物”としての消費増のほか、需要期ではない昆布茶が好調に推移したことを加味すると、主菜・副菜の調味料用途としての需要も大きく伸びたと推測される。これまでの用途提案が着実に浸透・定着している証となった。SM販売のメーカー各社では巣ごもり需要の定着・拡大をチャンスととらえ、売場連動型の販促を拡大強化。次世代層への最も効果的なアプローチとして、料理用途の訴求を一段と強めていく。
 一方で百貨店店舗などで高級昆布を中心に扱う老舗昆布メーカーはコロナ禍の影響を大きく受けた。その中で各社は昆布のうまみにこだわった簡便商品の開発や販売チャネルの多様化を推進、若年ユーザー獲得拡大に努めている。道産原料事情の悪化で、新たな商流の育成・構築も課題だが対策も少しずつ進んでいるようだ。(徳永清誠)