中部鍋つゆ特集

調味料 2020.11.16
中部鍋つゆ特集

 ●リアルとネットの融合も
 中部エリアでの今期の鍋つゆ商戦は、立ち上がりの8~9月に、気温の高さもさることながら、白菜など葉物を中心とする野菜価格が高騰した影響で各社苦戦を強いられた。とはいえ、近年は気象変化の影響から量販店も鍋つゆ商材の導入時期を見直す動きもあるため、例年と比べ特別落ち込んだわけではなく、10月以降は各社例年以上の伸びを見せ、堅調に推移している。
 コロナ禍による影響は、家庭での調理回数増加によって、例年低迷する春先に調理が手軽で野菜が多く一度に摂取できると鍋メニューが注目を浴び、思わぬ需要を得た。また商品特徴ではここ数年、単身世帯の増加や核家族化などを背景に「個食タイプの拡大」と厳選素材を使用したこだわりの新商品で「売価の改善」することが主な傾向であった。
 だが今年は一転、在宅喫食機会の増加から個食タイプに注力していたメーカーも「家族の団らん」を前面に押し出したプロモーションを展開。また価格に関しては今後予想される深刻な経済不況に備え、価格に敏感な消費者心理に配慮した「お手頃価格」で提供している印象だ。
 トライアルの需要獲得という点では、近年まれにみる追い風が吹く中、最盛期に向かうにつれ、定番味種に回帰する傾向にある消費者の心をいかにつかみ取るか、各社ごとにリアル(売場)とネット(SNS)を融合した、さまざまなプロモーション戦略が展開されている。(立川大介)

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