長野・山梨地区夏季特集

総合 2021.08.18
長野・山梨地区夏季特集

 厳しい残暑が続く甲信エリア。新型コロナウイルスの感染拡大が依然として続く中、域内の食品業界は厳しいかじ取りを迫られている。本紙が長野、山梨両県の食品メーカー、食品卸、食品小売業、外食業を対象に行った調査では、昨年に続き約7割の企業がコロナ禍で売上げが減少していると回答。1年半を超えるコロナ禍のダメージが重くのしかかっている状況が見て取れる。
 7月に入って展示商談会、新商品発表会などが徐々に再開し始めた矢先の“第5波”で、ますます出口が遠のいた「アフターコロナ」。一定の内食傾向は続いているものの、昨年のような「巣ごもり特需」はなく、その反動で価格競争が加速するなど、少子高齢化が進む地域市場ではさらなる地盤沈下への懸念が強まる。
 一方で、静岡県と山梨県、長野県を結ぶ計画の中部横断自動車道が8月29日に静岡~山梨県間で全線開通するほか、東京・品川駅と甲府市を約25分、飯田市を約40分で結ぶリニア中央新幹線の整備も進むなど、地域市場はさらなるオープンマーケットへの変容も進む。こうした中、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の「ニューノーマル」にどう向き合っていくのか。各社に今年前半戦の業況を振り返ってもらいつつ、変化を生き抜く一手を探った。(長野支局長=西澤貴寛)