長野・山梨地区夏季特集
厳しい残暑が続く甲信エリア。新型コロナウイルスの感染拡大が依然として続く中、域内の食品業界は厳しいかじ取りを迫られている。本紙が長野、山梨両県の食品メーカー、食品卸、食品小売業、外食業を対象に行った調査では、昨年に続き約7割の企業がコロナ禍で売上げが減少していると回答。1年半を超えるコロナ禍のダメージが重くのしかかっている状況が見て取れる。
7月に入って展示商談会、新商品発表会などが徐々に再開し始めた矢先の“第5波”で、ますます出口が遠のいた「アフターコロナ」。一定の内食傾向は続いているものの、昨年のような「巣ごもり特需」はなく、その反動で価格競争が加速するなど、少子高齢化が進む地域市場ではさらなる地盤沈下への懸念が強まる。
一方で、静岡県と山梨県、長野県を結ぶ計画の中部横断自動車道が8月29日に静岡~山梨県間で全線開通するほか、東京・品川駅と甲府市を約25分、飯田市を約40分で結ぶリニア中央新幹線の整備も進むなど、地域市場はさらなるオープンマーケットへの変容も進む。こうした中、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の「ニューノーマル」にどう向き合っていくのか。各社に今年前半戦の業況を振り返ってもらいつつ、変化を生き抜く一手を探った。(長野支局長=西澤貴寛)
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◆長野・山梨地区夏季特集:長引くコロナ禍の影 ニューノーマルへ変化迫られる
特集 総合 2021.08.18厳しい残暑が続く甲信エリア。新型コロナウイルスの感染拡大が依然として続く中、域内の食品業界は厳しいかじ取りを迫られている。本紙が長野、山梨両県の食品メーカー、食品卸、食品小売業、外食業を対象に行った調査では、昨年に続き約7割の企業がコロナ禍で売上げが…続きを読む
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長野・山梨地区夏季特集:小売流通=縮小する市場 再構築のビジョン必至
特集 小売 2021.08.18甲信エリアの食品マーケットは、人口減少が進む中で業態を超えたオーバーストアが進む。スーパー(SM)チェーンは長野のツルヤ、山梨のオギノと両県トップが盤石の基盤でけん引するが、ナショナルチェーンやローカルチェーンのディスカウントストア、出店ラッシュが続…続きを読む
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長野・山梨地区夏季特集:地域卸=業務用のダメージ続く 独自商品・提案に活路
特集 卸・商社 2021.08.18長引くコロナ禍が重くのしかかった上半期の域内卸売業。業務用関連は地域経済に大きなウエートを占める観光業の低迷、飲食店の営業制限などで厳しい業況が続き、内食化を追い風に好調だった家庭用も「巣ごもり特需」の反動で価格競争に再び局面が移り始めるなど、陰りが…続きを読む
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長野・山梨地区夏季特集:景況感=「昨年よりまし」も「先見えぬ」 本紙調査
特集 総合 2021.08.18●長野・山梨食品関連企業動向 アフターコロナ対策 安全・安心、事業構造改革 本紙は、長野・山梨両県に本社や拠点を置く食品関連のメーカー、卸、小売業、外食業など約120社を対象に、今年上半期の業況や長引くコロナ禍の影響、「アフターコロナ」への対策など…続きを読む
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長野・山梨地区夏季特集:農産加工=地域力・多様性で苦境乗り切る
スプレッド 特集 2021.08.18豊かな自然に囲まれた甲信エリアは、野菜・果実原料の宝庫。長野県は加工用トマトやエノキ茸、本わさび、山梨県はブドウ、桃などの生産量で日本一を誇る。こうした農産物を原料に、地域の農産加工業は食品製造業を黎明期からリードし、日本ワインやなめ茸、こうや豆腐な…続きを読む
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長野・山梨地区夏季特集:信州味噌・醤油=生き残りに危機感、発信力強化へ奮闘
調味料 特集 2021.08.18「信州味噌」の地元、長野県は大手から中小、「蔵」規模まで約100の製造業者がひしめく味噌大国。全国の味噌出荷量に占める県のシェアは、50%以上に及ぶ。全国味噌工業協同組合連合会がまとめた2020年の県味噌実出荷量は20万1873tで、前年を0.8%下…続きを読む
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長野・山梨地区夏季特集:信州そば・麺=潜在的な価値高めてさらなる活性化図る
麺類 特集 2021.08.18そばの一大ブランド「信州そば」。観光需要も大きなウエートを占める外食はもちろん、麺製品の分野でも抜群の市場認知度を誇り、地域の食品産業をけん引している。中でも、明治期に長野市で誕生した乾麺、乾そばは長野県が製造量で全国トップ。市場シェアは、40%超を…続きを読む