5月13日。今日はカクテルの日
5月13日は4つのバーテンダー団体が制定したカクテルの日。1806年5月13日にアメリカの週間新聞「バランス・アンド・コロンビア・リポジトリ」に初めてカクテルの定義が掲載されたことに由来する。
リキュールの普及が先か、カクテルの流行が先か
リキュールの言葉の語源は、 アルノード・ビルヌーブとラモン・ルルが命名したリケファケレが変化したとする説と、ラテン語で液体を意味するリクオルが語源とする説がある。リキュールは古代ギリシャ時代に医師のヒポクラテスがワインに薬草を溶かし込んだ薬酒を作ったのが始まりとされる。現在のリキュールのように蒸留酒をベースとしたリキュールが造られたのは11世紀と考えられる。
15~17世紀は大航海時代で、 世界各地からスパイスや果実が持ち込まれたこともあって、リキュールは薬酒から果実を主体としたものへと変化した。果実リキュールはルイ王朝などヨーロッパの宮廷でもてはやされ、 各種の色鮮やかなリキュールが造られて「液体の宝石」とよばれるほどになった。また各地でリキュール製造会社が設立されたが、なかでもオランダのボルス社は1575年の創立で、世界でもっとも古いリキュール・メーカーといわれる。またボルドーのマリー・ブルザールはアニスをベースにしたアニゼットというリキュールを開発するなど、 各地にリキュール・メーカーが現れた。
近代では、高アルコール濃度のスピリッツの製造が可能となって新たなリキュールが開発された。また世界中でカクテルが流行してバーテンダーという職業ができると、カクテルの材料のリキュールはますます種類が増えて高品質化した。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:東京農業大学 佐藤和夫)