ヒット食材パワーの徹底検証:ヒゲタ醤油「冷やし中華スープ」
外食市場の活性化に貢献した業務用加工食品の功績を記念表彰する「業務用加工食品ヒット賞」は、本紙創刊五周年を契機に各関係団体協力のもと創設された。これまでに「和食」「洋食」「中華」「給食」の四部門で計三六製品が受賞に輝いている。これらの製品は、昨今の消費低迷のなかでも元気いっぱいだ。ではヒットの要因は何なのか。このシリーズでは、受賞ヒット製品の開発コンセプトと成功要因を徹底検証する。今回は、中華部門で受賞した「味名人シリーズ冷し中華スープ(ゴマ風味)」(ヒゲタ醤油(株))。
「江戸の味を伝えて四世紀」をキャッチフレーズにするヒゲタ醤油が、「業務用加工食品ヒット賞」を受賞したのが、なんと中華部門でのこと。味名人シリーズの「冷し中華スープ(ゴマ風味)」がそれだ。
同社は、そば屋向けの醤油やつゆ(かえしを含む)分野では、伝統と品質でシェアも高く、とくに関東地区では圧倒的な強さを誇る。
そのヒゲタと冷し中華という奇異にもみえる取り合わせも、そもそもが「そば屋からの要望があって」(市場開発部・紺野哲雄氏)のこと。
味名人として、そば屋以外の飲食業態向けにつゆ・たれ類などの加工調味料をシリーズ化したのは、平成8年(一九九六)と比較的最近だが、冷し中華スープそのものは、昭和38年(一九六三)6月発売というから、意外と早くから手がけていたわけだ。
発売当時は、東京オリンピックを翌年に控え、日本中が高度成長期をひた走っていた時代。東京周辺も、その数年前からの建設ラッシュなどで人が集まり、街中のそば屋やラーメン店にも、まだ活気がみられた時代でもあった。
そのような客から「冷し中華」の注文が、日本そば屋で増えたとしても不思議ではない。そのニーズにこたえるべく開発した「ヒゲタ冷し中華スープ」は、二リットルびん入りで木箱に六本で一ケース。
当時は、光による中身の劣化を防ぐため、一本ずつ包装紙にくるんでいたという。
平成8年、味名人のシリーズ化で冷し中華スープもそのラインに加わり、同シリーズはつゆやたれ類で今や一〇種を超す品ぞろえ。その売上げの約六割を「冷し中華スープ(ゴマ風味)」が占めており、現在では「同・棒棒鶏風味」と「同・芝麻醤(ねりゴマ)風味」(各一・八リットル手付きPETボトル)の三タイプを取りそろえており、かけたり混ぜたりするだけで、本格冷しメニューの拡大強化を図れるという。
ちなみに「冷し中華スープ(ゴマ風味)」(一・八リットル手付きPETボトル、ユーザー希望価格九五〇円)は、同社の超特選醤油の「本膳」をベースに、風味豊かなリンゴ酢と醸造酢をバランスよく配合。ごま油や香辛調味料で味を調え、水で薄める(二倍濃縮)だけの手軽さで、本格的な冷し中華スープができるほか、ドレッシングやマリネなどに応用できる。
▽商品規格=「味名人シリーズ冷し中華スープ(ゴマ風味)」一・八リットル天パット缶、一・八リットル手付きPETボトル×六
◆ヒゲタ醤油(株)(東京都中央区日本橋小網町二‐三、Tel03・3669・1441、年商一二七億円、従業員四〇五人)
元和2年(一六一六)、個人経営にて醤油醸造開始。大正7年、株式会社に改組。醤油や加工調味料を製造販売。卓越した技術と最新設備により「ヒゲタしょうゆ」を製造し一般家庭、また割烹料理店などの専門店や、とくに関東のそば店に圧倒的信用を得ている。昭和41年から販売業務をキッコーマン(株)に委託している。














