1月24日。今日は世界で初めて缶ビールが発売された日
1935年1月24日、アメリカのクルーガー社が世界で初めて缶入りビールを発売した。
日本におけるビールの個人消費は、所得倍増の波に乗って
戦後の混乱のなかでビール会社は復興への努力を開始した。
1949年、ビール産業にも過渡経済力集中排除法が適用され、トップメーカーである大日本麦酒が2分割されて戦後の新しい体制ができあがるとともに、酒類配給公団が廃止されて、ビール会社は自由に出荷・販売できるようになった。同年6月には飲料店の再開にしたがってビアホールも各地で復活、ビールファンが押し寄せ大にぎわいだったという。ついでながら東京都内では半L入りジョッキ1杯が130円であった。
翌1950年には特約店ルートによる販売を開始して本格的な競争を再開し、52年には原料統制が解除されて、53年には戦前の最高水準を超す生産高を達成す るまでになっている。
昭和30(1955)年代は所得倍増の波に乗ってビールに対する需要も大幅に伸びた時代であった。戦前のビール消費がほとんど飲料店であったのに対し、戦 後はこの時期から家庭で飲まれるビールが飛躍的に伸びてきている。ついでながら電気冷蔵庫が普及したのもこの時期。家庭に買い置きされたビールが食卓 にならぶことになったのも大きな原因であろう。
1964年のビール製造量は約200万klに達し、10年間で5倍の伸びとなった。こうしたなかでビール会社は生産能力の拡大に努め、新しい工場がつぎつぎに建設された。新しくビール事業に進出する会社があったのもこの時期である。
1960(昭和35)年には統制が撤廃され、戦前の公定価格は基準価格制度へと移行する。さらに64年には基準価格が廃止され、1939年の価格統制実施以来実に25年ぶりにビールは自由価格に復帰した。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:秋山裕一 ))