シリアル食品特集
コロナ禍の20年、シリアル食品市場は大きく市場を拡大した。インテージ社がSRI(全国小売店パネル調査)に基づき発表した「2020年、今年売れたものランキング」でシリアル食品は、前年比20%増と大幅に伸長し29位にランクインした。同調査は食品・飲料・日用雑貨品などが対象で、食品カテゴリーに限ると上位でのランクインとなる。
コロナ禍による在宅傾向の高まりを背景に内食化が加速。さらに、健康に対する意識がさらに高まったことから、簡便で保存性が高くおいしさと栄養バランスの良さが再度評価されたことが要因だ。シリアル食品は、コメ、パンに続く朝食としての存在感を高めながら、おやつなどの間食需要も獲得した。これまで一部に根強い人気があったが、一般的ではなかったオートミールが注目されるなど、次なる成長の芽となる動きも出始めている。21年は、日本ケロッグがオートミール市場に参入するなど、主食を狙う動きが活発化しそうだ。
20年のコロナ禍による需要増は、裏を返すと、大幅に売上げが上がっている前年の実績を毎月追うことになる。20年は異例値として、19年比で数字を見ていくと語るメーカーも多い。一方、21年市場成長にポジティブな見通しを示すメーカーもある。根拠となるのは、20年に新規顧客としてシリアル市場にエントリーした人の離脱率が当初想定よりも低いことだ。20年のコロナ禍で、シリアル市場は、どのような大規模なプロモーションを行っても獲得できない、トライアルを獲得した。一定数がリピーターになることは、仮に21年の実績が前年を割り込んでも、健全な成長につながる。21年需要期を迎えるメーカー各社の仕掛けは万全だ。(青柳英明)
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◆シリアル食品特集:20年コロナ禍で価値評価され大幅伸長 裏年の21年に向け…
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