加工ごま特集
◆加工ごま特集:変化沿う対応を 新視点で販促策
加工ごま市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外食向けなどの業務用需要が著しく減少したが、家庭内調理の増加で定番商品の回転や付加価値商品の好調に支えられた。健康的な食生活を意識する人が増えたことから、昨年は春先以降に需要が拡大。現在は落ち着き、昨年より若干減で推移している。(三井伶子)
KSP-POSによると、ごまカテゴリーの20年1~12月の販売金額は前年比2.9%増、販売数量は同2.8%増と、金額・数量ともに前年を上回る結果となった。
家庭用はコロナ禍での巣ごもり需要があり、定番商品のほか有機ごまや金ごま、練りごまといった付加価値商品の販売が伸びた。一方で、小売店で集客につながるチラシ特売やマネキン販売などの販売自粛が行われ、今年もその傾向が続いている。特にごまなど乾物の販促は採用されにくく、販促での売上げ獲得が厳しい状況となっている。
業務用は外食向け、観光地向けは低迷したが、加工ユーザー向けは堅調に推移している。外食向けは緊急事態宣言による営業自粛の影響で大幅に減少していたが、回復の兆しが見え始めている。コロナ禍で厳しい時期もあったが、全体では量販店向けなどの好調に助けられ大きなマイナスにはならなかった。
アイテム別では練りごまが売上げの上位を占め、一部スーパーのPBなどは大きく伸びた。有機ごまや国産ごまはECサイトを中心に好調を維持している。今期は、引き続き業務用ではコロナ禍の影響で出荷量が低迷する中、好調の中食や惣菜関連への提案強化や、有機ごまや金ごまといった原料特徴が伝わりやすい商品の提案強化を図る企業が多くみられる。コロナ後を見据え、業務用の需要回帰を待たず新規ユーザーの開拓も進める必要がある。国内市場が見通しづらい中、グローバル化や海外へのアプローチを強化する動きもある。
コロナ禍で消費者の食事形態が内食、中食へシフトする中、消費トレンドの変化に沿った対応策を打ち出せるかが課題となる。消費者の購買動向に注視しながら、新たな売場展開や商品展開が求められる。巣ごもり需要により増加した家庭用の定番化や維持拡大のためにも、メニュー提案などの販促を強化していきたい。
ごまの持つ栄養や機能性を考慮すると、市場の見通しは明るいと考えられる。市場全体を拡大するためにも、新しい視点からの販売促進策や業界全体の起爆剤となるような企画が待たれる。潜在需要はいまだ高く、特に練りごまは製品特性、使用用途をアピールすることで、さらなる需要増加が見込まれる。
コロナ禍でもごまの需要は世界的に堅調で、日本は20年輸入量が過去最高を更新した。一方、世界的なコンテナ不足は現在も解消されず、海上輸送の高騰や混乱が続いている。穀物相場が高騰する中、ごまの価格上昇を懸念する声もあり、動向を注視する必要がある。
-
◆加工ごま特集:変化沿う対応を 新視点で販促策
農産乾物 特集 2021.07.26加工ごま市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外食向けなどの業務用需要が著しく減少したが、家庭内調理の増加で定番商品の回転や付加価値商品の好調に支えられた。健康的な食生活を意識する人が増えたことから、昨年は春先以降に需要が拡大。現在は落ち着き、昨…続きを読む
-
加工ごま特集:原料動向=コロナ禍も世界的に消費堅調
農産乾物 特集 2021.07.26●中国、日本、トルコ3ヵ国の輸入量過去最高 20年は世界で新型コロナウイルスが感染拡大する中、ごまの輸入量上位3ヵ国である中国、日本、トルコは過去最高の輸入量を更新した。ごまの消費はコロナ禍でも世界的に堅調だったこと、また開発途上国からの調達が多い…続きを読む
-
加工ごま特集:かどや製油 商品開発や提案で市場活性化
農産乾物 特集 2021.07.26かどや製油は“ごまの総合メーカー”として、加工ごまでもトップシェアを保有。近年では準大手・カタギ食品をグループ化し、事業領域を拡大させているほか、ごまの価値を高める商品開発や提案で市場活性化を推進している。前期(21年3月期)は業務用(加工向け・中食…続きを読む
-
加工ごま特集:カタギ食品 需要増の付加価値品が前年超え
農産乾物 特集 2021.07.26かどや製油グループのカタギ食品の21年3月期売上高は前年比1.1%増の37億7600万円となった。コロナ禍に伴い業務用需要は減少したが、家庭内調理の需要増から定番商品の回転が良かった。家庭用は数量ベースでは前年実績を下回ったが、有機ごまや金ごまといっ…続きを読む
-
加工ごま特集:真誠 売場は拡大傾向、特に人気の“金”
農産乾物 特集 2021.07.26真誠は今期で創立60周年を迎えた。記念商品には、強火で煎りあげたごまを粗めにすりつぶし、すり鉢ですったような食感が好評の「うまかあじすりごま75g」と、ごまの豊富な栄養成分を吸収しやすくしたシンボリック商品「皮むきタイプいりゴマ80g+20g」を発売…続きを読む
-
加工ごま特集:みたけ食品工業 栄養価など新用途での訴求強化
農産乾物 特集 2021.07.26みたけ食品工業の20年ごま販売は家庭用は前年並み、業務用は外食、観光関連の土産、ホテル関係は厳しい状況が続く。ごま全体では微増で着地した。 学校給食向けの供給が再開したが、外食は新型コロナが終息しない限り厳しい状況が続くと推測。半面、テークアウト需…続きを読む
-
加工ごま特集:豊年屋 苦境下も新規開拓で接点づくり
農産乾物 特集 2021.07.26地元・長野県産や国産のごまを使った製品展開に力を入れる豊年屋。業務用関連は長引くコロナ禍の打撃で厳しい業況のままだが、地元飲食店チェーンの新規採用を獲得するなど、市場開拓も進む。 「積極的な営業活動が難しい中で、多彩な用途から幅広い取引先のネットワ…続きを読む
-
加工ごま特集:マコト 外食向け使い切り添付小袋投入
農産乾物 特集 2021.07.26マコトの20年度ごま販売は、外食向けを含む業務用商品の売上げが減少した半面、家庭用製品が昨秋ごろまで好調で売上げのカバーができた。今期は展示会参加など販促活動も徐々に再開し、昨年より売上げが上向いてきている。 6月末時点で業務用が前年比7%増、全体…続きを読む
-
加工ごま特集:波里 滑らかさある独自ペースト注力
農産乾物 特集 2021.07.26乾物大手の波里は、業務用や原材料中に展開し、家庭用中心にこだわり商品を展開するグループの「金ごま本舗」と相乗効果を図っている。一昨年取得した「FSSC22000」のシステムを活用して、品質向上に向け、常にブラッシュアップに余念がない。中でも練りごまで…続きを読む
-
加工ごま特集:ゴマヤ 「當り胡麻」巣ごもり続きネット注文増加
農産乾物 特集 2021.07.26ゴマヤは業務用メーンで家庭用の比率は低いが、巣ごもり需要で一般消費者からのネット注文が増加している。 業務用は昨年4~5月の前年比70%減余りの落ち込みから、11月には同12%減ほどまでに回復してきたが、緊急事態宣言と、それに続くまん延防止等重点措…続きを読む