UdonはRamenに続きロンドンで流行するか 英国オリジナルうどんも展開

世界最大のうどんチェーンであるMarugame Udon(丸亀製麺)がロンドン1号店を7月にオープン。インフルエンサーとのコラボや5000杯無料のプロモーション効果もあり、開店後も数日間行列ができるなど大盛況のスタートを切った。年内に英国内に5店舗が新規出店予定で、2025年度内に欧州全体で100店舗を目指すそうだ。

ラーメンは流行から定着へ

10年前、英国でおいしいラーメンを食べるのは非常に困難だった。現在は多くのラーメン店が出店し、「ロンドン」で「豚骨」ラーメンに限って言えば、ある程度おいしいラーメンを食べることが可能になった。ロンドン以外の地域へも少しずつ拡大しており、豚骨以外のラーメンを提供するお店も出てきている。ラーメンの認知度もかなり向上し、流行から定着へのフェーズへ向かっている。

オリジナルメニュー「豚骨うどん」(Marugame公式サイトから)

うどんの状況は10年前のラーメンと似ている。うどんの専門店は「Koya」というロンドン中心部に3店舗ある店が有名で、昨年末には杵屋がオープン。あとは日本系やアジア系レストランのNoodleメニューに載っているくらいで、まだまだ認知されていないし専門店も少ない。

ラーメンより格安の値段設定

10年前と状況が違うのは「Sushi」「Katu curry」「Ramen」など日本食が拡大しすでに受け入れられていること。また日本のアニメやコミックなどの影響もあり日本文化への関心度は高い。

ラーメンが進出する際には、ストリートフードとしてではなくレストランとして前菜やデザート、お酒などを取り揃え、ゆっくり時間をかけてお1人さま約3000円という客単価の店も多かった。

セルフスタイルで待ち時間も少なく、忙しいビジネスパーソンにも向いている(Marugame公式SNSより)

しかし今回、Marugameはラーメンより格安の値段設定でうどんを提供。ロンドナーのランチの定番は、カフェなどでサンドイッチとコーヒーで軽く済ます人が多い。Marugameはこのような忙しくて時間があまりなくコスト的にも手軽に済ませたい客層と、天ぷらなどの追加メニューでガッツリ食べたい客層の両方にアプローチしている。

参照サイト:
Londoners marvel at newly-opened Marugame Udon restaurant’s low prices | SoraNews24 -Japan News- 

ビーガン向けオリジナルメニューも

店のメニューの約30%がビーガン向けになっている。通常、魚介を使用するうどんだしを野菜だしに変更。天ぷらの衣もビーガン仕様にしている。また、天ぷらを取るトングもビーガン用と分け徹底している。

天ぷらのトングにもビーガン用が

英国で大流行の「チキンカツカレー」はうどんでも丼でもメニューにあり、豚骨ラーメンならぬ「豚骨うどん」も楽しめる。また英国にある日本食レストランの定番サイドメニューの枝豆、キムチ、ギョウザ、定番デザートメニューのモチアイスやドラ焼きなども提供する。

丸亀製麺がオープンして2ヵ月後にも寄ってみたが、平日昼にも行列ができていた。Udonはこれから英国を始め欧州でも流行し拡大するのか、どのような進化を遂げていくのか楽しみである。(フードライター 武田高建)